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マリサは仕事をしてもお金がもらえない?

このnoteは、社内の全メンバー(社員・アルバイト・業務委託等の雇用契約に関係なく)へ伝えているメッセージです。

このメッセージを週末に送り、週明けの全体MTGで話をしています。

備忘録的な意味合いはありますが、同じような経営者、リーダーのみなさん、これからそういった役割を目指すみなさんに少しでもお役に立てたら嬉しく思います。
※本文に出てくる「マリサ」は、弊社社名の略称です。

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本文は以下より。

うまくいく企業とそうではない企業の違い。

賛否両論ありそうですが、マリサがこれからも生き残っていく上で重要だと思うので記しておきたいと思います。

まず、私はこの記事が好きです。

タイトルで答えがわかるような記事ですが、今回伝えたいのは「営業」に関することです。

どれだけ優秀な取締役や財務、エンジニア、デザイナー、マーケター、ライターを揃えていても営業ができなければサービスは広がらないと考えています。

※念の為伝えておきますが、営業以外の職種の方の否定ではありません。どうかネガティブに捉えないでください。そして、私は決して営業が得意な人間ではありません。

サービスが広がらなければ、お金は得られません。

いいサービスは営業がなくても広がるというのは、妄想だと理解しています。

20代の頃はいいものは勝手に広がると思っていましたが、今はそうは思いません。

「いい商品(サービス)が売れるのではなくて、売れている商品(サービス)がいい商品」という言葉もありますよね。

冒頭のpaypayの記事が物語っている気がします。QR決済のサービスは他にもあります。

ここで、改めて現状のマリサは基本的に事業会社(自社プロダクト事業)ということを理解しましょう。

一般的に事業会社という定義は、金融やコンサルや士業を除くもの全般とされているので、「自社プロダクト事業」と言い換えることにします。ちょっと長いけど、ちゃんと認識するためにもあえて自社プロダクト事業と言います。
※SaaS企業に近い考えです。

自社プロダクト事業というのは、原則、仕事をしたからお金をもらえる事業体ではありません。

ちょっと変なことを言いますが、これはマリサで働く上での非常に大事な真理だと思っています。

私の中で自社プロダクト事業の対比はなにかというと、わかりやすいので受託事業としています。

受託事業というのは「記事を書いてほしい」「デザインをつくってほしい」「サイトをつくってほしい」「システムをつくってほしい」「サーバーを管理してほしい」と、基本的に実施してほしいことをお客様から受けて、その対応をし、対応をした分のお金をいただく会社のことを指しています。

どちらがいいとか悪いではなくて、自社プロダクト事業はお客様から申しつけられたことを実施していてもお金をいただけることは少なく、なおかつ、ある意味一方的にこちらが考えたサービスを押し売りさせていただくようなイメージです。

我々が命を吹き込まなければ存在しなかったサービスに対して、勝手に名前を付けて料金を設定して提供しています。

なんとも不思議な感じがしますよね。当然ながら、誰か他の人がつくったサービスを販売するような代理店のような事業でもありません。

でも、マンションナビの一括査定もメルマガ広告も不動産データクラウドもロボ査定もデータ販売もFさんの講師もMATSUDAKEも事実そうなっています。

正直、これだけのサービスがそれぞれマネタイズできているのって本当にすごいです。黒字かどうかは一旦置いておきます。

自社プロダクト事業も受託事業もどちらも難しい事業ですが、我々は「自社プロダクト」で会社を運営しているということを、これを読んでいる全員に再認識してほしいと思っています。

ただ、自社プロダクト事業だとしても、社内の中では発注、受託のような構図が発生します。ちょっと厄介だなと思うのはここです。

なにかをお願いして作業していただいたり、時間をかけたらかけた分だけ対価というものが発生することがあるからです。

当たり前といえば当たり前なのですが、会社としては自社プロダクト事業だとしても社内の中では受託事業のようなことが起こるため、とてもとても細かい部分ですが、我々マリサというものの現状を正しく認識するためにこんなややこしい話をしています。

なぜ、こんなことをしつこく伝えているかというと、この先さらにさまざまな挑戦をしていく上で一番怖いのは「正論」だからです。

世の中にはゼロからイチを経験したことのない人の方が多く、ほとんどの場合、軌道に乗ったサービスの運営に関わるので、仕事があって当たり前、改善があって当たり前、問い合わせがあって当たり前、人がいて当たり前、売上があって当たり前のことが多いです。

なにごともあって当たり前の感覚の正論は怖いです。

新しいことに挑んでいるときには邪魔な感覚(というかシンプルに羨ましい)でしかありません。

これもいいとか悪いの話ではなく、事実、それが世の中だと思います。

自社プロダクト事業だとしても受託事業だとしても、既にお客様が存在し、売上が発生している場合には、どちらがどちらという感覚はなく、ただの「仕事」「タスク」と認識することになるでしょう。

今ではなんとかかんとかマリサも自社プロダクト事業として生計を立てられる状態になっていますが、当然ながら最初はゼロからのスタートで、日々少しずつ積み上げを行ってきたからこそ、現在これだけの人数(正社員16名・アルバイト7名・業務委託4名・インターン4名・役員2名 合計33名)がマリサで安定して働くことができるくらいの売上をつくることができています。

なので、今の「正論」は、新しいことに挑戦する時にはただの邪魔なものだったりします。

この感覚は、新しいことに挑戦してくれれば絶対にわかることだと思います。

さて、大事なのはここからの部分です。

我々が毎月安定して会社を運営できるのは、愚直に営業をし続けてきたからに他なりません。

冒頭のpaypayがなぜどこでも使えるのか。を思い出してみてください。

サイトを立ち上げてサイトの更新だけしてお金をいただけるサービスでも、プロダクトをつくったから他の誰かが売ってくれるというビジネスモデルでもありません。

自分たちで考え、つくって、拡散して、提案して、断られて、改良して、また提案して、ご契約いただいて、ご利用者様の声を聞いて・・・というようなことを、何度も何度も繰り返しています。

もう一度言いますが、営業至上主義を謳いたいのではありません。営業以外の職種の方々がいなければマリサは成り立ちません。誤解しないでください。

私が言いたいのは、これを読んでいる全員がマリサで働くとは営業の役割も担っていることを認識することができたら、組織はめちゃくちゃ強くなるということを言いたいのです。

大事なのでもう一度言います。

営業という職種を崇めろなんていうことではありません。マリサで働くとは、どんな職種だとしても営業の要素があるということを認識してほしいのです。

そもそも働くということは、営業と一緒だという理解です。

無理やりな感じがするかもしれませんが、本当にそう思っています。

家族や友人に会社のサービスについて話すこと、ありますよね。これだって立派な営業です。

外部からの電話を取る。サービスについて聞かれて答える。これだって営業です。

サービスが売れやすいように考える。これも営業です。

愛されるサービスにする。この信念がもう営業です。

営業が好きとか嫌いとか得意とか苦手とかではなくて、働くとは営業なんです。

営業は自分の売っているものが大好き(勘違いでも)ですし、誰よりも、強みも弱みも理解しているはずです。

こういったことは、働いていれば自然と身についたりしますよね。身についているけど、営業以外の職種の方は自分が営業と思ったことがないかもしれません。

あなたが大好きな食べ物を誰かに勧めたことありませんか。営業とはそういうことだと思います。

飲食店は、お店に入って料理を食べられる時間のことを「営業中」と書いてあるんです。

まず、この半ば無理やりな認識が大事。

そして、どんなに革命的なサービスを実現できたとしても、放っておいてもどんどん契約が増えるサービスだとしても、営業活動は止めたらダメなんです。

なのでマリサはこれからも職種としての営業パーソンは採用し続ける予定ですし、みんなの心の中に自分は営業だという気持ちは必ず置いておいてください。

私の知っている限り、不動産テックで結果を出している企業はゴリゴリ営業し続けています。

有名になろうが、上場しようが、どでかいプロモーションを打とうが、営業しています。

会社がうまくいっている、いっていない・・・までは言い過ぎかもしれませんが、軌道に乗る乗らないの違いはここだけ(会社全体で営業を本気で考えるか考えないか)と言っても過言ではありません。

この先も、AIが発展しようがしまいが、営業が強い会社しか生き残らないと思います。

営業が強いというのは、スーパースターの営業がいることではなくて、会社全体で営業のことを考えられるかどうかです。

余談ですが、2011年頃、私がアルバイトとしてマリサに関わっていた頃に、マンションナビの参画会社をどう増やしていくのかという話が出た際に創業者は架電を嫌がっていました(私には嫌がっているように見えました)。

生意気にも「電話しないで契約なんか増やせるか!」と捨て台詞を吐いて転職してしまったのですが(25歳の自分、若い!)、2年後にマリサに戻ってきた時も架電はしていませんでした。

代わりに、以前にも伝えたことのある月額1万円のプリンタを借りてDMを送りまくる作戦を実行していたことは今でも鮮明に覚えています。

考えてみれば、マリサで働く人数(当時は社長含めて5人)、全国のマンション売却の反響を受け取っていただくために営業しなければいけないこと、既に一括査定サービスは浸透しつつあって、違いを明確に打ち出すことのできるサービスであることを考えると、架電よりも、DMで興味を持っていただくことを考える方が得策だったかもしれません。本人が単に電話営業が嫌だっただけかもしれませんが、合理的な判断でした。

戦略と戦術というものをなんとなく理解できた瞬間でもありました。

営業というのは飛び込みであったり、電話をし続けたり、変に緊張するようなことばかりではなくて、サービスの内容に応じて考え行動していかなければならないものだし、それは、マリサに関わる全員で考えられたら素敵だよねと思います。

我々が仕事をしてお金をいただくことができるのは、ご利用していただいているお客様がいるから成り立つことで、どの職種がすごいとかえらいとかではなくて、営業という活動を通じて積み上げたもの。どんな仕事だとしても我々はお客様のことを考えないといけないということです。

もちろん、役割としての「営業」というものはありますし、結果が出ないのに効率ばかり重視しても意味はありません。加えて、急にマリサの全員が営業の役割を担っているメンバーに対してアドバイスし出したら、それはそれで統率が取れなくなります。

職種の役割分担というものは確かに存在します。

ただし、自分もマリサの中で営業の一端を担っていると考えると今の仕事の考え方や行動も変わるかもしれません。

いい商品(サービス)が売れるのではなくて、売れているものがいい商品(サービス)なのです。

だからこそ、いい商品(サービス)をつくって、売れる。売れまくる。これをマリサでは実現し続けたいと思います。

2月ラスト。上半期、ラストです!

今週もよろしくお願いします。

昨年の今頃はこんなことを伝えていました。


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