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遊びの文化史


 遊びは終わりだ。

 今までnoteを使って好き勝手書いてみて、よくわからないと思った人もいただろうし、面白いと言ってくれる人もいて、それはそれで嬉しいことだった。誰にどう読まれようと、全く僕の関心事ではなかったのだが。

 遊びについてもいくつか書いてきたのだが、先々週に遊びはもっと人生を体現してるよねみたいなことを書いた。


 詳しくはこっちを読んでほしいが、つまりはもっと遊びも本気にというわけだ。

 そういうわけで、僕もそろそろちゃんとnoteを使って遊びたいのだ。みんなに読んでいただきたいのだ。イントロはこれくらいにして、今日は遊びの文化史について書いたので、以下読み進めてほしい。日本の歴史の中で遊びの根源に何があるのか、「遊部」という職能集団とは何か。フットボールの夢、始まります。


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 朝4時に冷え切った布団から這い出ると、すぐに身支度をして隣の部屋で疲れて寝ている親を起こさないよう足音を立てずにドアを開けて閉める。引退してからは社会人のサッカーに参加させてもらっているので、平日も週末も朝が早い。場所も遠い。

 車で走るこの時間の東京の街並みはどこも夢見心地の浮遊空間だ。20号からゆるやかに伸びていく環状線を走り抜け、更に夢の国を通り過ぎる。

 夢と現実の境目が曖昧なのは、僕の生活にも起因している。未だにサッカーを諦めきれず、スペインでサッカーをしようなどと画策しているのだが、今はどこから僕の現実が始まっているのか。毎日遊んでいるようで、根は真面目に、まだ見えぬ先への少しの不安と共に今を楽しんでいる。

 目を瞑って時間の流れに身を任せれば、街の景色、世界の中に溶けていく。自然に還って、何もかもうまくいきそうだ。

 労働を否定することから遊びを語りたいわけではない。僕もいつまでもビッグチャイルド、夢見るサッカー少年を演じていたいのではない。それよりも遊ぶことの先に、立派な一人の大人としての生活を据え、あわよくば人間の本質を見たいと考えている。

 英語で「PLAY」と言うことには、遊ぶこと以上の人間の営みが含まれているという話がある。それでは、日本において「遊び」は違うのだろうか。

 古語で使われる「遊び」にはたしかにより主体的な意志を伴った行為の意味が含まれる。僕たちは学校で見た日本史の教科書のかなり最初の方に和歌の発生を見ることができるし、歌人という遊びのプロみたいなものがどれくらいの地位にあったかを知っている。

 更に遡ること、645年は大化の改新。これによって喪失されたとされているのが、「遊部」の存在だ。「遊部」と書いて、「あそびべ」と読む。

 大化の改新以前には、大王やら天皇のもとに部民(べみん)という職能集団があり、遊部はその中で呪術師に近い立場だった。

 具体的には、死者を弔う時に儀式を執り行うのだが、遊部は遊ぶことによって死者の魂を呼び起こそうとするそうだ。楽しそうだろ、こっちへ来いよみたいなことだろうか。

 この遊びから派生して、遊部は様々な文化的創造性に長けていなければならない。もちろん、この時に歌を詠むといったことも含まれていた。遊びは生活との区別がなく、つまりはどんなことにも造詣が深く、スキルも求められた。

 この遊部が呪術師であるということが重要である。

 呪術師と言われると、例えば現代ではキューバで黒人信仰の司祭になった大学の副学長なんかもいたりする。


 呪術とは、本質的に神や自然との対話、交流である。

 つまり、呪術師は人間と自然世界とを接続する媒体として求められた職能なのである。その手段として、遊びがあるというのだ。

 僕たちがどこから来て、何者で、どこへ行くのかという永遠の問いに、遊部は挑んでいるのである。


 サッカー選手はそろそろサッカー選手を超えなければいけない。

 ボール1つをもって、僕たちは真剣にもこの人生を遊び、そこから学び、全てを懸けてきた。

 プレイすることに本質を求めること。きみがそのパス一つをどこに出すのか、その一瞬にこだわり続けることで、僕たちは僕たちを取り巻く世界と接続し、ようやく今此処に流れる時間軸に存在するのだ。


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とりあえずはこんな感じで始めてみました。note以外でも面白いことやってるので、遊びに来てください。


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