『飛込み営業の極意③』経験者を待つ落とし穴?
前回の記事では、熱意についてお話しましたが、正直に言うと、わたしは社会人になってから「熱意」なんていうものを考えた事も感じた事もありませんでした。
しかし、飛び込み営業で見ず知らずの方を訪問し、いきなりお話させて頂く中で、本当に「熱意」というものの大切さに気づかされました。
若い方には、「熱意」なんて流行らないし、重たいもののように感じるかもしれませんが。
では、熱意とは具体的に言うと何なのでしょうか?
わたしは、「熱意」とは、覚悟の裏返しだと思っています。
もう迷わずにやってやるという「決意」の裏返しです。
すぐに結果を求めるから覚悟が出来なくなります。
結果は考えずにとりあえず半年間の間、必死になってやってみる。
それをやってみた後にどうするか考えてみる。
その後どうするかは、その後に考えればいいんです。
一日一日、今日を全力で自分を出し切ってみるんです。
・辛い
・やりたくない
という意識からスタートするから覚悟なんて出来ないんです。
時間は命と同じなので、何かプラスにしていかないと経験値が上がりません。
【1】未経験者がなぜ売れてしまう !?
飛び込み営業の世界では、入社したばかりの新人がいきなり売上げを上げてしまうことがあります。
ギャンブルみたいにビギナーズ・ラックもあるでしょうが、そうとばかりは言えないんです。
わたしもいろいろと新人営業マンを見てきましたが、ある時気が付いたんです。営業経験者よりも未経験者の方がよく売っているということを。
なぜ、未経験者の方が売れたのか?
経験者の方がいろいろと知識がある訳ですから、とても有利に感じますよね。もちろん経験者でガンガン売る人もいますが…。
でも経験者は、なぜか辞めていく確立も高いです。
わたしが見る限りでは、なまじ経験があるために自分のスタイルにこだわり、会社のやり方に馴染めずに不満が多くなるようなんです。
言い方は悪いかもしれませんが、「体についたアカ」が邪魔をするわけです。「経験」という「鎧」が邪魔をするのです。
未経験者は営業の世界の事が何も分からないので、無我夢中で基本通りに懸命にやるしかないんです。
【2】素直がもつパワー
幼いの頃には、親の言う事や目上の人の言う事を今よりは素直に聞けましたよね。でも、歳をとるにつれて、だんだん素直に聞けなくなりますね。なぜでしょうか?
それはやはり、自我が目覚めて見栄とか自尊心とか経験が邪魔するわけです。中高年の方で自我の固まりのような人を結構見かけます。
営業未経験者は1年生になったつもりで、素直に一から教えてもらいます。
これが「素直」が持つ潜在パワーです。
なぜ素直なのか?
それは、やはり「未経験」だからです。
未経験だから謙虚になれます。
そして、それは社内だけでなく社外でも同じなんです。
わたしも新人の頃、お客様の前で汗をかきながら相手の話にうなずきながら、なりふり構わず一生懸命説明していた時に、
「それはいくら位するものなの?」
「あんた一所懸命だね、まぁ掛けてよ。」
と、応接室に通され契約に至ったこともありました。
一生懸命さは嫌でも伝わります。新人は最初はそれしか出来ません。わたしも、最初はそれしかありませんでした。
それが未経験がもつ素直なパワーです。
相手は、その一生懸命さが理屈抜きで心地良いんだと思います、きっと。
【3】経験者を待つ落とし穴
ちょっとイメージしてみてください。
たとえば、今あなたの家に突然に営業マンらしき人が来たとします。
●どんな営業マンならドアを開けますか?
●どんな営業マンなら話を聞きますか?
●どんな営業マンなら信用しますか?
●どんな営業マンなら買いますか?
イメージできました・・・?
例えば、わたしなら
●笑顔が気持ちいい人
●元気な人
●まじめそうな人
こんな感じだったら話を聞いてしまいそうです。
仮に、余裕たっぷりで、さも自分の言う事は価値のある話ですよ、と言わんばかりに自分の言いたい事だけ喋る営業マンだったらどうですか?
早く扉を閉めたくなりますよね。
でも、こういう営業マン、結構いると思うんですよね。
何を隠そう、わたしもそういう時期がありました(苦笑)
「(よし、相手は真剣に自分の話を聞いてくれている。いいぞ、これはいい感じだぁ。)」
ところが、こちらの話が終わと、
「(えっ、うそ。もう引っ込んじゃうの?ちょっと待ってよ!これからが本題なのにぃ・・・!)」
、ってことがありました 笑
実は、相手は、
「(この営業マンの話、早く終わらないかなぁ)」って心待ちにしていたんです。
そりゃそうです、自分の都合でしか喋っていませんから。
相手からしたら不愉快極まりないですよね。
気をつけなくてはいけませんが、経験を積んだ営業マンがしゃべる事に慣れてくると、妙に鼻につく余裕と効率よく話を運ぼうとする気持ちが出てきます。
これは、本人も気が付かない場合が多いです。
でも怖いです。お客様は営業マンの一部始終を見ています。
ベテラン営業マンがスランプになるのは、これが原因だったりします。
【4】お客様の本音
なぜ自分から買ってくれたのか、お客様の本音って聞きたくありませんか?
実は、「お客様の本音」って間接的に耳にするケースがあります。
本人にはあまり言ってくれません。
その中でよく聞く言葉に、
「いつもは断っていたのに、何故だかあの人の話聞いちゃったんだよねぇ・・・。」と、さも不思議そうにお客様は話されます。
なぜ、聞いちゃったんでしょうか?(笑)
これが飛び込み営業の醍醐味と言えます。
熱意が通じて、お客様の感情が動いたわけです。
大げさに言うと、その場の空気に酔われたんだと思うんです。
とても楽しい良い気分になったんです、多分お互いにです。(お客様と営業マンが)
営業マンはその状況で必要となる自分自身を演じ切ったわけです。
お客様はそれに魅せられたわけですね。
でも、お客様は本当にいい気分なんです。
この人から買いたいと本気で思われたんです。
笑顔で喜んでくれているんです。
最初はあんなに断っていたのに 笑
今は申し込み書に判子を押してニコニコ笑ってくれています。
とても不思議です。
でも、それがお客様の本音なんです。
営業マンを信用できないから本心を隠していただけなんです。
断りは、挨拶みたいなものなんです。
そのぐらいだと思っていて丁度良いんです。
ほんとです。
とにかく実践あるのみです!
(笑顔や第一印象については次回に)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?