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息子と私の高校受験237日「後悔」

「このままだと行く高校ないよ。」
そう宣言されて、息子はようやく勉強しなければ、という気持ちになりました。

学校でも先生の話を聞こうと、顔を上げて先生の顔を見るとか、きちんとノートを取るとか、そういうことから始めたようです。
今まで好きなだけなまけてやってきたので、そんな小さい事でも、彼にとってはかなり努力のいることでした。
それでも高校に行きたいという気持ちが、彼を一生懸命にさせていたんです。

でも、彼はすぐ大きな壁に突き当たりました。

「わからない。」

小学校の時、彼はとびぬけて成績がいいわけではないけれど、そんなにひどい点数を取ってきたことはありませんでした。
教材をコツコツ家でやっていれば、授業についていけないこともなかったんです。
だから、彼はちょっとたかをくくっていました。

小学校の時だってやればできたんだから、勉強しようとしさえすればすぐできる。

それが、やろうとしてもまったくわからない。
理解できない。

彼にとって、初めての挫折だったかもしれません。
こんなに頑張ってやろうとしても、先生が何を言ってるのか、どう解いていいのか全然わからない。

どうしたらいいの?

そのイライラの矛先は私に向かいました。
ある日、彼は私を恨めしそうに見ながらこう言いました。

「俺、もう一回1年からやりなおしたい。
ちゃんとやっておけばよかった。
ママが俺が嫌がっても、怒ってでも勉強しろって言い続けてくれたら、こんなことにならんかったのに。
なんで俺が勉強するようにしてくれへんかったん。」 


なにぃーーーーーーー!!??

 
「あー、ごめん、ごめん、お母さんが悪かったよねー。」なんて言ってもらえると思ったら大間違いだよ。
それは人のせいにして逃げてるだけだろ、きみぃ。
と心の中で思いつつ、息子にはこう言いました。

「あのさ、今苦しいのはわかるけどさ、それはどうなの?
じゃあ、お母さんが勉強しろしろって言ったら、本当にやってた?」

すると、しばらく黙り込んだあと、

「わかってるよ。
わかってるねん、絶対やってないってわかってるよ。
だけど、誰かのせいにして逃げたいねん。
ただそれだけやねん。
ママのせいにしときたいねん。」

そっか。
わかってんのか。

「うん。
でも終わっちゃったことはどうにもできないからさ、今からやればいいんだよ。今気が付いてよかったじゃん。
これが3年生になってからだったら、もっと大変だったよ。」

「そやな。」

この時は、今からスタートすれば全然時間はあると思っていました。
息子もそう思っていたはずです。
でもこれが大きな誤算。
スタートできなかったんです。

「まだ時間はある。」

多分彼の中に甘える気持ちがあったんだと思います。
だから、やらないといけないのはわかっているけれど、どうしてもその気になれない。

明日からやろう。

月曜日からやろう。

日曜日の時間のある時にゆっくりやってみよう。

ずるずる先送りにしているうちに、時間はどんどん過ぎていく。

結局やってない自分にイライラする。

でもどうしてもやる気になれない。
悪循環に陥って、いつまでも抜け出せなかったんです。

次のお話につづく

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Belle Posent(ベル・ポーズ)
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