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取材先で叱られていた私が、10年取材ライターを続けられている理由
取材直後に鳴る電話には、嫌な予感しかない。
今年フリーライター歴10年を迎えた私。今だから言えるけれど、初期にはいろいろとやらかしていました。
当時取材に同席していた編集者さんたちは、ほとんど大目に見てくださっていたと思います。
でも、取材先からクレームが入ったときだけは別! 取材後、即座に電話がかかってきて、お叱りの言葉をいただくこともありました。
「もしもし、りかさん? 取材お疲れさまでした。今ちょっといいですか?」
このスマホ越しの冷静な声のトーンに震え上がる感じ、わかりますか??
なかでも忘れられないのが……
「勉強してから来いよ」事件
編集者Aさんは、取材後の電話で淡々と次のような話をしてくださいました。
「さっき取材前にりかさん、『勉強させていただきます』って取材相手の方に言いましたよね? 取材先の担当者から、『うちは勉強させるために取材を受けているのではない。勉強してから来て』って言われちゃったんですよ。次から気をつけてくださいね」
……(恥ずかしさで赤面)。
確かに取材の際、私は言っていたのです。「勉強させていただきます」と。
取材テーマが未知の分野で、かつ難しい内容で。もちろん予習してはいたけれど、自信のなさからつい出てきてしまった言葉。深い意味などありませんでした。
それがまさか、取材先をガッカリさせ、Aさんに恥をかかせることになってしまうとは。申し訳ない気持ちでいっぱいに。
そのとき、心に誓ったのです。
もう二度と自信のない初心者面はしないぞ、と。
(すぐに完璧にはできなかったけれども、だいぶ気をつけるようになった)
自信のなさは、準備不足!!
自分が安心できるくらいまで準備をし、当日は堂々と胸張って(読者代表として)取材に臨むようになりました。
"初心者面"から"イチオシ面"へ
さらなる転機となったのは、2年目の頃。
取材に同席してくださった編集者Bさんが凄腕で。取材相手に会うなり、必ずこう言うんですよ。
「イチオシのライターを連れてきましたので」
と。
えぇぇぇぇぇ!?
まだまだ取材にド緊張しちゃうような私は内心、「ハードル上げないでよー(涙)」と思うのだけれど、背筋はシャンッとなる。
イチオシと言われてしまっては、イチオシらしく振る舞わなきゃ!っと胸張って、読者代表として聞くべきことを堂々と聞くようにたんです。
取材相手も、「イチオシのライターさんが来てくれたんじゃ、こっちもイイ話しなきゃなぁ」とまんざらでもない感じ。
結果的に、その場の雰囲気がいい意味で引き締まり、とてもよい取材になりまして。
これがさ、もしも自信なさげな初心者ライターです!って顔でスタートしたら、同じ内容でも全然違う雰囲気になりますよね。
それからは、編集者さんに言われなくても、自ら「編集者イチオシのライターが来ましたよ」って顔で取材に臨むよう心がけています。
編集者Aさんとのその後
この話には続きがあってね。
ここ数ヶ月、ちょっと大きめのお仕事をしていて、1日10人取材! とかこなしていたんだけれど。
実はそれ、例の「勉強してから来いよ」事件のときの編集者Aさんから依頼いただいた案件。
10年続くご縁、となるわけです。
私の経験上、初期の頃に「お叱り」をくださった編集者さんほど、その後も長くお仕事をご一緒させていただけています。本当にありがたいことです。
自分自身も、「うわーやらかしてしまったー」と頭を抱えるような失敗を経験するたび、ライターとしてのプロ意識を高めていけた気がします。
失敗があったからこそ、10年続いているのだな、と。
なので、本当はもっとたくさん失敗談をご紹介して反面教師にしてもらおうと思っていたんですが、それはちょっと違うかなと思って。
失敗談を知るより、自分で失敗した方がいい!
これからライターとしてやっていく皆さんにも、失敗を恐れず、自分のやりたい案件にどんどんチャレンジしてほしいなと思います。
素敵な編集者さんとの出会い方
編集者Aさんともこの方法で出会った、ということを思い出しました。
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ぜひ読んでみてください♪
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