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商業出版する方法#20〜「初心者狙い」が基本です。

書籍編集者・商業出版プロデューサーの渡邉理香です。

私は新型コロナの影響以前にホットヨガに通っていて、ぜんぜん続いて通ってました。

とにかく仕事の間でも時間があいて「行けそう!」と思ったら行くようにしているし、行きたい!と思うことも多いし、、、で通っていました。

自宅から近いところにある、というのも大きな理由でしょう。

ヨガはぜんぜんの初心者。

うまれてはじめて40すぎて始めたこともあって、右も左もわからない。

だからまだまだ「初心者マーク」がついて「強度・難度も1」レベルのクラスに常駐していました。


クラスは初級・中級・上級みたいにわかれていて、難度が上になっていくほど、クラス数は減少します。
もちろん、受講する人の数もレベルが上になるほど「少なくなる」んです。
初級で「初心者マーク」のクラスほど、べらぼうに受講者は多い。
かつ初心者マークのクラスでも「リラックスヨガ」とか「アロマリラックスヨガ」とか言葉の上で、なんか「癒し」につながって、ユルっとフワッと楽にできそうなものほど参加者もめちゃくちゃ多くなる。
  

そう・・・!
これってまさに本もいえるんですよね。
一番売れる・売りやすいのは「初級」「入門」「基礎」がつまった「はじめの一歩」的な内容の本です。
「誰でもわかる」「誰でもできる」「ズボラでも大丈夫」ってタイトルがつていたり、帯のコピーがついてるコンセプトのそれ。
いっぽうで、売る数がどうしても少なくなるのは「中級」「上級」なそれです。
だから「プロ向け」とか「応用編」みたいなコンセプトの本はきちんとマーケティングしないと、思った以上に売れない!てことになる。

ビジネス書の場合、特に気をつけないといけないのは「エグゼクティブ向け」の本です。
いわゆる”管理職”やリーダーに向けた本を作りたい!という方も結構な割合でいます(研修講師の人に多いかな)
しかし考えて欲しいです。
管理職やリーダーといった”エグゼクティブ層”って、日本で割合高い「層」ですか?
そういうステイタスの人、大多数でしょうか?

・・・・・・そうではないと思います。
パイを広くとる!ことが、低価格帯の「本」のビジネスでは重要です。
無論、リーダー向けなんかも出ていますが、そういう本でめちゃんこ売れてる本って、、ないんですよ。ほとんど。

やっぱ、売りやすい本は、平社員でもエグゼクティブでも関係なくスキルが学べるような内容です。
だから、よほどのビジネス実績がない限りいきなり処女作から「エグゼクティブ向けに出したい!」というのは得策ではないので、再考いただければ幸いです。

また実用書においても同じで、「上級者向け」「応用編」というのは、完璧に読者のパイが狭まります。
よって、売りづらい本になりやすい。
最初から、いきなり専門的なスキルや知識を詰め込んだ本をイメージするのは・・・どうかなぁ。。と元編集者としては思いますね。
  


本は誰でも手に取れるところで「売って」ますよね。
本屋さんにしてもネット書店にしてもそう。
誰でも気軽に手にとれて、試し読みできたりする。
本は「一瞬の出会い」が大事な要素になる”商品”でもあります。
だから売れる本をつくりたいのであれば、「初級」「入門」「基礎」「誰でもできてわかりやすく学べる」「再現性が高い」「どんな領域の人でもあてはまる」「難しいことが理解しやすい」みたいな内容の方が、パイが広がり、売りやすいので、覚えておいて欲しいです。
  

むろんある一定の読者が確実にいる「専門書」「実務書」「実用書」みたいな領域で攻められるなら攻めてもいいけど、それができる著者さんは、ステイタス的に専門家中の専門家みたいな人で、普段のビジネスでも「専門家向け」にサービスを展開していて実績が高い人だけだと思いますね。


なんにしろ「わかりやすい」「面白い」「誰でも楽しく学べる」みたいに、内容は濃いけど敷居の低い本が、売れる本の基本だと改めて思います。

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