ミッシング ピース 1
彼女と付き合い始めてしばらくして、ずっと見つからなかったパズルの最後のピースが見つかったと身体が感じた。
いつもそこに意識があったわけじゃない。
でも身体の中で、カチッと、そのピースがはまった音がした。
「あぁ、そうか・・・最後のピースが欠けていたんだ」
それが自分に欠けていたことにも全く気ついていなかった。
でも身体で、心で、実感してやっと理解ができた。 安堵と納得。
彼女はいつも無駄な動きがなかった。
と言ってもきびきびしとした規則正しい動きとうわけではなく、
ゆっくりと静かに呼吸しながら瞑想をしているように歩く。
その動きに目を停める人は皆、自分が呼吸しているのを忘れていたかのように歩調を弱め、大きく深呼吸をする。
私もその中の一人だった。