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運動学習の効果を促進するために必要なこと -Part1-
おはようございます。
愛媛県で理学療法士、スポーツトレーナーとして活動しています宇治村信明(うじむらのぶあき)と申します。
今回は、運動学習効果を促進させるために必要なことについてお伝えさせていただきます。
トレーニングやリハビリテーションを行うにあたって、その目的の1つに"運動学習"を促すことがあると思います。その運動学習の効果を促進するために必要なことは何でしょうか。
その必要なことは3つあります。
今回の記事では、3つのうちの2つのことについてお伝えさせていただきます。
■自己効力感
まずはじめに、"自己効力感"とは何でしょうか。 自己効力感は、リハビリテーション場面や
トレーニング指導の場面でとても重要なものであり、運動学習を促進するために大事なものです。
"自己効力感"とは、何らかの課題に直面した
際にこうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分なら実行できるという期待(効果期待)や自信のこと
自己効力感は高ければ高い程、運動学習効果は促進されます。
この自己効力感は、次の4つから影響を受けることが報告されています。
①遂行行動の達成
課題となっている行動における成功体験を持つ
こと
②代理的体験
同じような状況にある人の行動を遂行してい
る場面を見ること、成功体験の話を聞くこと
③言語的説得
他者から行動を遂行できたことについて賞賛や
励ましを受けること
④生理的、情動的喚起
課題をやり遂げたことにことにらよって生じ
る身体的及び精神的変化をどのように受け止
めて解釈しているのかということ
この“自己効力感"は、身体活動量や地域での活動や社会参加にも影響を与えるものであり、リハビリテーション場面でも、患者様が社会復帰し、充実した生活を送るためには身体機能面だけでなく、自己効力感も高めていく必要があります。
"自己効力感尺度"と"実動作能力"との差が大きくなるほど、転倒リスクやうつ症状などに影響をきたしてきます。このため上記の4つの因子を参考に、リハビリテーション場面において患者様の自己効力感を高めていく必要があります。
スポーツ競技でのトレーニング指導の際ではどうでしょうか。"これをやれ"、"あれをやれ"と指導をしていませんか。
やりたいトレーニング(または運動)ややらせたいトレーニング(または運動)があるかもしれませんが、自己効力感を高めるためには、『自分自身で選択するという過程』を与える工夫が最も重要なことです。
選手自身が、今一番自分にとって必要なトレーニングを自分で選択させることも、指導の際には大切なことだと思います。
■グループで課題に取り組む
一人で課題を行うよりも、他者と共同して行う、他者と競争して課題を行う方が運動課題の遂行機能が向上し、成績が高くなることが報告されています。
共同して行う場合は女児に、
競争して行う場合は男児に効果的
(あくまで統計上です)
このグループで課題に取り組む際に、注意していただきたいことがあります。
それは『勝ち負けにフォーカスしすぎない』ことです。勝ち負けではなく、行動の過程に対してフィードバックをしてください。
例)最後まで諦めずに頑張れたね。自分の順番じゃない時に応援できてたね。など。
■まとめ
今回は運動学習の効果を促進するために、必要なことの"自己効力感"と"グループ課題"についてお伝えさせていただきました。
"運動学習"'は、リハビリテーション場面やスポーツ競争の場面でも重要なものであり、パフォーマンスにも影響するものです。
次回の記事では、あと1つの必要なことについてお伝えさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。