栄養学のさわりと生理学
今回、初めて栄養学のことに触れていきます。
内容自体はそれほど厚くはないですが、アスリートだけでなく、
日常生活にも応用できそうな内容です。
脂肪っていらないもの?
「ダイエット」という言葉を知らない人はいないだろうと思います。
一般的には余分な脂肪を落として「痩せる」というイメージですが、
脂肪も人間にとって必要なものだから存在しています。
脂肪の役割
・エネルギーの保持
・体温維持
・内臓保護
・ホルモン生成
脂肪の役割は代表的なものでこの4つがあります。
特に女性にとって「体温維持」「ホルモン生成」はかなり大切です。
脂肪を減らしすぎるとホルモンバランスが崩れ、無月経・稀発月経(周期が39-89日)をきたす可能性があり、その影響で骨粗鬆症になります。
いまや、骨粗鬆症は高齢者の病名ではなく20歳代もなり得る病名です。
どのくらい脂肪があればいいの?
最低限、絶対に必要な体脂肪は
男性:3-4% 女性:9-12%
と言われていますが、かなり少ないですね。
競技にもよりますが、アスリートの理想の体脂肪は
男性:5-13% 女性:12-22%
とされています。
「筋肉にはたんぱく質」は間違っている!?
脂肪の次はたんぱく質の話です。ダイエットには筋トレも必要です。
それは筋肉量を増やすことで基礎代謝があがり、一日の消費カロリーを増やす事ができるからです。
それでは「筋肉をつける」といった何を思い浮かべますか?
「プロテイン(=たんぱく質)」という人が多いのではないでしょうか。
もちろん、プロテインは必要ですが、それと同時に必要なのは糖質です。
トレーニングをするときには筋肉を動かすためにエネルギーが必要です。
そのエネルギーは体内で作られるわけですが、そのために糖質が必要です。
空腹時にトレーニングをすると自分の筋肉を分解してエネルギーを得ようとします。
つまり、自分の筋肉をけずって自分の筋肉を作ってる。ただの維持です。
じゃあ、代わりにプロテインをたくさんとればいいじゃないか!
って思うかもしれませんが、過剰なたんぱく質は脂肪として蓄積されるので本末転倒です。
一般的な理想的なたんぱく質の量は体重1kg、1日あたりに1gと言われています。女性の場合は男性に比べて10-20%は量を減らしてもいいそうです。何事もバランスが大切ということです。
運動時のたんぱく質消費
持久性の運動中、運動で使われる全エネルギーのうち1-6%が
アミノ酸(たんぱく質を少し分解したやつ)の分解によるエネルギーとして使われます。つまり、たんぱく質はそれほど消費していないということなので
持久性の運動をする場合はたんぱく質の摂取量は増やさなくてもよいです。
長期にわたってこの運動を続けることで安静時の体たんぱく質合成は増加します。
レジスタンストレーニング開始時には体たんぱく質合成が増加しますが、
中強度のレジスタンス運動を継続するとたんぱく質の消費量は減少し、
必要量も減少します。
本当に高強度の運動を行う際にはたんぱく質の追加摂取が必要ですが、
そうでなければ過剰な摂取は控えたほうがよさそうです。
各栄養素の特徴
・たんぱく質
不足すると骨形成量も減少。逆に過剰だと腎糸球体濾過量が増えて
腎臓に負担をかけながらも排泄量がupします。
・カルシウム
目安摂取量:800-1500mg/日 カルシウムは吸収率が悪く20-30%です。
最もいい牛乳でも40%であり、不足しがちな栄養素です。
アスリートの骨密度の特徴で柔道選手は上下肢、肋骨が高くなり、
長距離選手は腰椎~骨盤の骨密度が低くなりやすいです。
・乳糖
牛乳を飲むとお腹を壊しやすい原因のものです。
カルシウムの吸収率を上げてくれます。
・リン
リン酸カルシウムとして骨や歯を形成しています。
カルシウム:リン=1:0.5~2 が理想の摂取割合です。
・ビタミンD
ビタミンD2とD3に分かれてます。D2は食物から、D3は紫外線により、
皮膚で生成されます。作用に違いはありません。
肝臓や腎臓で活性化ビタミンDとなり、カルシウムの吸収率を
上げてくれます。
おまけ程度のミトコンドリアについて
ミトコンドリアはエネルギーを作り出してくれる大事なやつです。
その容量が大きければエネルギーも多く作り出してくれます。
その容量を大きくするためには高い強度の運動を行う事です。
4-5週間継続することで適応がみられ、1週間中止すると大きくなった分の
半分が無かったことになります。
逆に低強度の運動を長時間行うことは、
・心臓循環器系機能の改善
・体液バランスの是正
・代謝産物の処理
に影響を与えるとされています。
今週はかなり暑くなるみたいですね。入道雲をよく見かけるようになりましたが、いつも思うことが「天空の城はあるのかなあ」です。
それではまた次回!!
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