姿勢制御×嚥下機能⑦ ~舌骨と姿勢~
こんにちは。今日は姿勢制御と嚥下機能についてお話させて頂きます。
前回は
”舌骨と姿勢”
ということで、特に矢状面での関係性についてお話しました。
今回は
”前額面での姿勢の変化と舌骨の関係性”
についてお話させて頂きます。
矢状面同様に、脳卒中後後遺症後の患者さんは
手足の運動麻痺に加えて、姿勢制御の問題を抱え、左右も非対称になる方が多いのではないでしょうか?
このような姿勢になると舌骨の可動性(特に左右への可動性)に影響がでます。
どのように制限されてしまうかをもう少し、頭頸部に着目してお話します。
健常人ではこのように、
主動作筋(舌骨上筋群)と拮抗筋(舌骨下筋群)がこのように関係しています。
舌骨下筋群は肩甲骨や胸骨に付着する為、これらのアライメントが舌骨の可動性に大きく影響します。
例えば、
脳卒中感患者さんでは
”低緊張による肩甲骨下制”
を呈している方もたくさんいらっしゃると思います。
そうなると、
主動作筋と拮抗筋の関係性が崩れてしまいます。
肩甲骨に付着する舌骨下筋群が肩甲骨の下制により
下方に引っ張られます。
それに伴い舌骨は麻痺側に引っ張られ、非麻痺側への可動性が乏しくなります。
または非麻痺側の代償により
”高緊張による肩甲骨挙上”
を呈している方もいらっしゃると思います。
そうなると
肩甲骨に付着する舌骨下筋群が肩甲骨の挙上により筋肉が短縮位となり筋肉の長さが乏しくなります。
それに伴い舌骨は非麻痺側に引っ張られ、麻痺側への可動性が乏しくなります。
さて、今日は前額面の姿勢の変化と舌骨への影響についてお話しましたが、
これはあくまでも可能性の一部です。
目の前の患者さんの肩甲帯や舌骨、下顎などのアライメントがどうなっていて、舌骨がどの方向に可動性が乏しいのか、また、それを引き起こしている筋肉は何であるのかを評価する必要があります。
ただ、姿勢の変化は舌骨の可動性に影響し、つまりは嚥下機能に影響するということを伝えたいです。
口から食べられるってヒトがヒトらしく生きていくために本当に大切だと思います。理学療法士も作業療法士も、言語聴覚士とディスカッションしながら嚥下について考えられれば良いですね!!
次回に続く、、、