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雑念 #1:自由な世界が行き過ぎるとどうなるのか

政治に無知・無関心なのでニュースを読んでいてなんとなく出た雑念をまとめてみた。今回はネットが簡単に利用できるようになり、誰でも自由に発信することが可能になった世の中において、近年頻繁に見られる極端な思考を持つ、または発信する者についての雑念を全体主義と自由主義の観点から考えてみた。

  1. 全体主義としての共産主義とファシズム
    共産主義とファシズムは、理想や理念こそ違うが、実態としては非常に似通ったものである。例えば、ソビエト連邦やナチス・ドイツでは、前者が社会主義、後者が資本主義に基づいたものであるにも関わらず、運用実態においては中央集権的な統治によって個人の自由が抑圧されている、という点においては同じであった。このように、理想が異なるだけで実態はほぼ同じであるのではないだろうか。
    特に北朝鮮のように、イデオロギーに基づいて作られた国家では、建前として掲げる理想と現実の間に大きなギャップが生じる。北朝鮮は「人民のための社会主義国家」を標榜しているが、実際には金一族の独裁支配が行われており、国民の自由や権利が厳しく制限されている。これは、理想とは裏腹に、実態としてはファシズム的な国家運営に近いものであると言える。

  2. 権力の集中
    極端に権力が集中することには、有事における迅速な対応や意思決定が可能であるという利点がある。例えば明治時代の日本は中央集権化を進めることで近代化を成し遂げ、列強に支配されなかった数少ないアジア国家となった。このように、中央集権化が進んだことで日本は欧米列強と肩を並べる国力を持つことができ、国家としての独立を維持することができたという恩恵があった。しかし、これが長く続くと人々を苦しめる負の側面が大きくなる。権力が一部に集中すると、例外を認めないことで民衆の意識のベクトルがそろい、意思決定が迅速になる一方、言論および身体、経済などの自由が過度に抑制されたり、組織のチェック機構が不全になることで腐敗が生じやすくなり、社会の多様性や活力を損なうリスクが高まる。

  3. 自由主義の過剰とポピュリズムの台頭
    自由の抑制が全体主義の弊害であると述べたが、自由主義も行き過ぎると弊害が生じる。例えば、韓国における大統領や権力者への強いアレルギーや、世界的に見られるマイノリティーの急激な躍進が社会に歪みを生んでいるように、極端な自由主義は社会を分断し、逆に強いポピュリズム的なリーダーが台頭しやすくなる。現にドナルド・トランプを例として世論を2極化して対立を扇動することでリーダーとなった者も先進国で見られるようになった。このような状況は、結果的に全体主義的な体制への回帰を招きかねない。

  4. 動的平衡という考え方
    動的平衡とは、しばしば生物学の分野で用いられる用語である。生物というのは非常に繊細なバランスの下存在しており、その維持には恒常性(常に一定であること)が不可欠である。しかし当然環境というものは変化するものであり、完全に同一ではいられない。そこで動的平衡という概念が重要になり、内部は細かに変化し続けながらも全体としてのバランスを保つ仕組みであり、これによって生命は維持される。結局のところ、一言でいうと社会において動的平衡を維持することが非常に重要なのである。後述するが、北欧諸国では民主主義的なプロセスを重視し、社会保障や教育を通じて動的平衡を保っている。全体としてのバランスを維持することで、極端な権力集中や自由主義の過剰を防ぐことができるのである。人間が生み出すものは全て人間の中の仕組みに沿ってできているという考え方があるが、まさに「自然」な仕組みを理解することは政治やイデオロギーなどにおいても大切なのではないだろうか。

  5. 教育の役割
    この動的平衡を保つには、国外からの影響に頼るのではなく、国民自身がその重要性を理解し、支える力を持つことが不可欠である。そのためには、国民一人ひとりに対して批判的思考を育成し、民主主義の理解を深め、多様性を尊重する教育が重要である。例えば、フィンランドでは、教育を通じて国民に批判的思考を養い、民主主義を実践する力をつけることに成功している。これにより、社会がバランスを崩さずに発展していくことが可能となる。

あとがき
対立構造って簡単に作れて便利だなぁ。簡単に利益になるし。本当に政治や国のことを考えている人って国民からすると何やってるのかわからないのかもしれないし多分当人も評価されないか非常に時が経ってからの評価となるだろうね。自分が生きている間に利益にならないことってやらないよね。人間は社会的な生物だけど蜂みたいに集団=個人の存在ではなくあくまで自分の利益のために生きる生物なのだから。

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