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歩き出した夏。

 夏が始まった。
 ただ季節が変わったと云うだけだが、今年は一味違う。コロナは5類感染症になったし、マスクだってある程度自由だ。布を隔てずスッキリした口元はお酒が入ると多分に饒舌になり、素顔で笑える時間を噛みしめる。

 さて、話は三週間ほど遡る。某バーBBQイベント協賛の話。

 宴が始まった。
 ただ人が集まって肉を焼くだけだが、ひどく久しぶりだ。コロナがある程度落ち着いた去年でさえ躊躇してできなかった。囲んだ肉に舌鼓を打つ口元はお酒が入ると多分に饒舌になり、みんな一緒の時間を楽しんだ。

 のだが、ぶっちゃけそのみんなが来る前に設営メンバーで別途マネーを出し合ってお高い肉を食ったのは秘密だ。
 秘密なのだ!!!!!!!!(クソデカボイス)

それなりのステーキ
を、豪快に網の上で切り分け
このように

 信仰する宗派が肉である私にとってはこの瞬間がたまらない。ほんのりパリッとした表面、高熱で柔らかく膨らんだボディー、灼けた炭に滴る肉汁、口に入れた瞬間歯切れよく解け、香ばしさが鼻に抜ける。
 焼肉のたれ??ノンノン、ごく少量の岩塩とワサビで。
 高い肉は裏切らない、信ずるべきは肉だ、結局肉なのだ。

 肉を信じれば救われる。肉への妄信は危険かもしれないが、信ずるに値する価値がある。食用に供される獣鳥類の肉は食えば旨いし、自分の肉は鍛えたらマッチョになる。肉は良い。そしてこういうのは種類にかかわらず信仰の対象を身近に感じることが重要だ。故に今週末もまたBBQを行う。
 肉を食おう、友よ。


 中四国は今日、52日間の梅雨が明けた。そう、夏が始まった。
 いつの夏だって一度きりだが、今年は何か変わるかもしれない。
 自由を謳歌して、燃えるような日々に。


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