![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/94805201/rectangle_large_type_2_b72318164ba9adf737e3b80f058c20d3.jpg?width=1200)
悲しきガストロノームの夢想(40)「自家製魚貝ラーメンのお汁」
一年に一度、自家製魚貝系ラーメンのお汁、いわゆるスープを作りたくなります。透明感があるけれど、出汁がしっかり出ている塩味のお汁です。(スープとは言いたくない私です)
前回は鯛のお頭とアサリをベースにゆっくりくつくつと煮て、日高昆布や鰹出汁を投入し、点数で言えば100点満点の80点まではこぎつけました。ポイントはいくつかありますが、先ずは魚貝類の臭みをどうやって取り除くかが重要です。鯛のお頭ですが、プチナイフで臭みの元となる血や臭う身を丁寧に取り除き、最後に日本酒でサラリと洗い流し、冷蔵庫でしばらく寝かせます。アサリは砂抜きさえすれば問題ありません。
この下拵えから先が大変で、寸胴鍋の水に鯛のお頭を静かに入れ、くつくつ沸騰する前に弱火にし、アサリを投入します。やがて、寸胴鍋はお汁化し白濁し始めますが、その直前にザルにすべてをあけ、しばらく粗熱を常温でとります。お汁が冷めれば、もう一度寸胴鍋に入れ、弱火でゆっくり温度を上げます。やがて、お汁が沸騰し始める直前に火を止め、鰹節をドンと投入し、またまた粗熱を常温でとります。
常温になったお汁に、岩塩を入れ、岩塩が溶けた頃合いを見定め、弱火でお汁を温めます。ふぅ。ようやくお汁が完成しました。
かなり端折って説明しましたが、この先に、美味い麺を探して茹でてと……。魚貝系ラーメンは、食べに行くのに限りますね。中嶋雷太