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ヤバ中が世界のUTMBへKAGA SPA TRAIL開催報告会に行ってきました


2025年6月、石川県加賀市で国内初開催となるUTMB予選レース「UTMBワールドシリーズ~KAGA SPA TRAIL ENDURANCE 100 JAPAN」(以下、KAGA SPA TRAIL)の開催報告会が、交野市立いわふね自然の森スポーツ・文化センターで行われたのでいってきました。

開催日:2024年9月20日(金)
会場:交野市立いわふね自然の森スポーツ・文化センター
主催者Sotoasoさん

報告会では、UTMB出場経験があり、KAGA SPA TRAILを主宰する有限会社パワースポーツの代表より、UTMB参戦記やUTMBとの契約までの経緯、そして大会の詳細説明が行われました。

KAGA SPA TRAILは、以前から開催されていたOSJ主催の「山中温泉トレイルレース」が前身となっています。開催時期やコースは前身の大会がベースとなっていますが、最長コースが80kmから100kmに延長されており、いくつか新しい区間が追加されました。以下は、その追加区間です。

  • スタートから苅安山までは過去の山中温泉トレイルレースと同じですが、そこから福井方面に向かい、火燈山を登り、反対側から富士写ヶ岳に入ります。

  • 九谷ダムから湖畔を進み、10kmほどの林道へ。景色の変化が少なく次の区間になかなか着かず苦しい所のようですが、走ることができればタイムを狙える区間。

(コースの追加部分を注意深く聞いていたのですが、山中温泉トレイルレースに出場経験がない私はコースがイメージがしにくく、マップで見た範囲と聞いたお話をそのまま記録しております。誤りがあったらごめんなさい。。)


山中温泉トレイルレースが選ばれた理由

UTMB側が山中温泉トレイルレースに注目した背景には、過去のUTMB大会で日本の関係者が山中温泉トレイルレースの魅力を伝えたことがあったようです。その後、UTMB側からシリーズ参加への問い合わせがあり2023年大会を視察した後に、契約に向けて進み出したようです。
UTMB側が特に評価したと思われるポイントは以下の通りです。

  • 山岳マップに載っていないダイナミックなトレイル

  • 1周100kmあるコースと美しい景色

  • 日本文化を感じられる温泉街とその周辺環境

  • 宿泊施設の多さ

  • アクセスの良さ(加賀温泉駅の新幹線開通、小松空港の国際線)

これらの点をUTMBが評価し、大会がシリーズに加わることとなりました。

2025年の大会について

2025年には、世界中で開催されるUTMBシリーズが42大会から49大会に増える予定です。KAGA SPA TRAILには、100km、50km、20kmの3つのカテゴリーがあり、合計2500名が参加する予定です。そのうち、約3分の1を海外からの参加者とするようで、国内ランナーは1600~1700名ほどの参加枠となりそうです。海外からの関心は高いようで、大会公式サイトの閲覧数の55%が国外からのアクセスであることが報告されており、特に香港、中国、タイ、台湾、フランス、アメリカ、韓国、オーストラリアからの関心が高いようです。

さらに、運営側によると、ITRAポイントが獲得できるよう申請中であり、決定次第公式サイトで告知されるとのことです。このポイントが付与されれば、FUJI 100など国内の人気大会へも出場も見込めるため国内ランナーからもより高い関心を得やすいかと期待されます。

開催に向けた課題

一方で、開催に向けていくつかの課題も浮上しています。当初は地元自治体と協力して大会を運営する予定でしたが、今年1月に起きた能登半島地震の影響で、自治体は復興支援に重点を置くこととなりました。
そのため、大会開催に必要な経費やUTMBのフランチャイズ契約にかかる費用を大会側で賄わなければならない状況です。

その一環として、クラウドファンディングが立ち上げられましたが、目標金額に対し、9月23日時点での支援額は約10%に留まっています。クラウドファンディングの期限は2024年10月18日まで。さらなる支援が求められています。また、KAGA SPA TRAILとUTMBのシリーズ契約は3年間で、この期間中に大会が日本国内で定着し、トレイルランナーに受け入れられるかどうかがUTMBシリーズ継続の鍵となりそうです。

最後に

KAGA SPA TRAIL は、国内外のランナーにとって新たな挑戦の場となり、石川県の美しい自然や温泉街の魅力を世界に発信する絶好の機会でもあります。開催に向けた課題も見受けられますが、大会を支える多くの関係者や支援者の協力により、この大会が成功し、日本のトレイルランニングシーンに新たな風を吹き込むことが期待されます。今後、どのように大会が発展していくのか注目されるところです。


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