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本の紹介(2)
今回は本の紹介(1)に引き続き、紹介をしていきたいと思います。
(1)では、英語学概論系の本を紹介したので、今回は形態論の本を紹介をしていきたいと思います。
1. 形態論とは
形態論は、語のつくりや仕組みなどについて扱う分野です。近年はレキシコン(辞書と訳されることがありますが、いわゆる市販の辞書とは違って、個人がもつ語の知識の集合体のことを指します。)の研究が進んでおり、さらにのちに紹介する統語論(どのように文が作られるかを扱う分野)と融合した研究も進んでいます。
ここでは、形態論に特化した本の紹介をしたいと思います。
2. ベーシック形態論
まずは、「ベーシック形態論」を紹介させていただきます。
実際、形態論に特化していて、かつ簡単に書かれている書籍は数少ないのですが、この本は言語学の知識がない人にとっても分かりやすく書かれています。日本語と英語の例が豊富で、形態論の基本的な事柄を1つ1つ丁寧に扱っている印象を受けました。さらに最後の章には、分散形態論や構文形態論といった、最近の研究の動向まで簡単に説明されています。
形態論の内容に興味があるけど、何から読めばいいんだろう。と思っている方にはぜひおすすめしたい1冊です!
3. 形態論と意味
続いて「形態論と意味」を紹介させていただきます。出版されてから時間が経ってしまいましたが、とにかく広い範囲の現象を扱っていることが特徴的です。解説もかなり詳しく、さらに練習問題も掲載されているので、読みながら理解を深めやすく、複数人で勉強する際にも使用できるテキストになっています。
ちなみに私は、特に「語彙意味論」と「語彙概念構造」の章を深く読んだ記憶があります。
4. 形態論とレキシコン
こちらの「形態論とレキシコン」はかなり最近出版されたものです。だからといって、最近の研究ばかりを扱っているかと言われるとそうではなく、研究史を概観する形で始まっているので、過去の研究もざっくり知りつつ、最近のレキシコン研究も学びたいという方にはおすすめです。内容的にかなり難解な箇所もありますが、それは最近の研究が複雑さを帯びていることも1つだと思います。私も読みましたが、最初ムズっ!と思いました。なので、興味がある部分のみ何回か読んで、「なんとなくこういうことかな?」とわかってきました。。。
いかがだったでしょうか。今回は私が読んだことのある、形態論に特化した書籍を紹介しました。次回もお楽しみに〜