母になる。羊水検査をしなかった妊娠期

私は34歳で息子を身ごもった
今では珍しくない年齢での懐妊だけれども
高齢出産の妊婦だったので、産婦人科で生まれてくる子どもの染色体検査を奨められた

そのパンフレットを手に読んでみていちばんはじめにモヤっと暗い違和感を感じた

いったい羊水検査で何がしたいの?

主に胎児の染色体異常を見つけるための目的なのはわかっている。その後の命の選択を母親に委ねられることを、私はあえて投げ出すことしかできなかった

ただ、私のもとへやってきてくれたわが子にそんなことはしたくないということだけは、自分の中ではっきりしていた

その選択をした自分に今では心から感謝している

私の人生で出会った染色体異常のある障がいを持つ仲間の命を否定する経験をしなかったことで

仲間とこれからも胸を張って命に向き合える
もし、検査を受けていたら私の性格上どこかで罪悪感を抱えなければならなかった

この件については賛否両論あるけれど

命の選択をした親は否定されるものではないと思っている、それを「強い」「弱い」で分けてしまうのも違う

命を生み出すことに背負わされてしまった悲しみ

だと思っている

女性として生まれ、自分の中の優生思想に向き合う経験を持てる妊娠期は人生の深い学びの機会になることは素晴らしいと思った

そして、羊水検査では判明しない障がいを持つ子どもを授かった

息子の発達の診断を受けたときに
大きな宿命の流れを感じ
安堵感に包まれた

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