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猫は、生きている。

みーこ。8月にリンパ腫が発覚してから3ヶ月。抗がん治療も効果なく、最後の注射をしてから2週間が過ぎた。

昨夜は、隣の娘たちの部屋で寝ていた。わたしは仕事が早番だったため、5時半のアラームで目が覚めたら、足元にみーちゃんが横たわっていて、蹴飛ばしそうになって焦った。白い布団の上に死んでしまったのかと思ったが、ゼーゼー息をしている。寒いので下に連れて行き、ストーブの前に置く。

仕事に行く前に、再び娘たちの部屋に戻す。
午後4時過ぎに帰ると、みんな居間にいて、みーちゃんも寝ていた。
なんでも娘たちがお昼に出かけた時間に、トイレに行こうとして失敗し、布団や床が糞尿だらけになっていたらしい。きれいに掃除してくれていた。その後、みーちゃんは、一人で二階にいたのに、自力で階下に降りてきたという。誰もいなくて寂しかったのだろうか。

晩ご飯を食べてから、わたしがお風呂に入ってたら、何をどうしたのか、みーちゃんがドアを開けて入ってこようとする。どんどん入ってきてしまって、湯桶からすこしお湯を飲んで座り込んでしまった。片目はぱっちり開いている。
ストーブを炊くと乾燥して喉が渇き、お水を飲みたいけど、口がもううまく開かないので飲めなくてずっと辛そうだった。お風呂の湿気と湯気が気持ち良かったんだろうか? 10分ほどもお風呂にいた。お母さんは、髪を洗うからと引き上げてもらった。

全く食べなくなって1週間以上過ぎている。ほとんどお水も飲まず4日は経っている。左半分の顔は腫れあがり、目は潰れ、膿みがあり、背骨が浮いて、便もうまく出なくて漏らしてしまう。そんな具合なのに、しっかり歩き、動き回る。
もう心臓も弱くなって、時々苦しそうになる。横倒れ、もうダメか?と思ったら立ち上がる。いったいみーちゃんの生命力は。どうなってんの?

二十歳のときから何頭もの猫と暮らし、死に別れてきた。一頭も同じ死はない。ということは、一頭も同じ生もない。みなそれぞれの人生(猫生)を過ごし、それぞれの死を迎える。

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雪が降る前の暖かい日。ずっと出たがってた庭に出してみた。嬉しそうにしっかりと歩いていた。

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