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[3月3日]シドニーで最後のサーフィン
自分が苦手だと思っている事や、好きだとは思っていなかったことが、なにかのきっかけでオセロがひっくりかえるように「好きかも」になる瞬間がたまらない。
泳ぐ事は得意ではないし、渡豪1週間で離岸流に流されたトラウマから、ビーチも水遊びもあまり好きじゃなかった。だから帰国ぎりぎりになるまで、サーフィンに挑戦したいと思ったことは一度もない。
ところが「シドニーにいるのも残り少ないし、オーストラリアっぽいことしとかなきゃ!」と参加したサーフィンレッスンが、思ったよりも楽しくて、週末通いつめたりして。
シドニーを出る前の最後の週末も早起きをしてサーフィンへ行った。
平日の疲れが少し残ったまま早起きをしてバスに乗り、早朝のマンリービーチへ。
コーヒーとハムチーズ・クロワッサンを食べ、二時間波にもみくちゃにされ、またお腹がペコペコになったところで、ボリュームたっぷりのホットドッグを食べても、まだ13時!
ビールを飲みながら引き続きビーチでのんびりしてもいいし、フェリーに乗ってショッピングに行ってもいい。
最近知ったお気に入りの週末の過ごし方だった。
バスに揺られて1時間、9時だから人はまばらかと思いきや、太陽は思ったより高いし、空気は澄んでいて、日曜だけどみんな早起きして思い思いにビーチを楽しんでいて。
既にサーフィンをしてる人を片目に、いいなぁいつかあんな風に波に乗れたら、と思いながら、レッスンに向かう。
君ならもう一人で乗れるでしょ、と先生に声をかけられ、でももうマンリーではしばらくサーフィンできないのよねぇ、と少し切なくなって。
一緒にサーフィンをした人たちにしばらく会えなくなるのも、街からすぐにこんな素敵なビーチがある環境から離れるのも少し寂しい。
なにより、7年もここに住んでいて、今さらこんな最高な週末を発掘するなんて、今までなにやってたんだろう。
最後になって気づくというか、終わりが見えるからこそ良く見えるというか。
「悲しかったことも苦しかったことも少しずつ薄れて、良い思い出だけダイジェストで残るよ。ディズニーランドで長く並んだ思い出だけわざわざ覚えてないでしょう?だから大丈夫!」
そう声をかけてくれた友人に、次会えるのはいつだろう。
そんなに好きではないと思っていたシドニー、やっぱり大好きだった。
気づくのが遅すぎたかな。いや、ぎりぎりで気づく事ができてよかった、そう思えるときは、きっともう前を向いたときなんだろう。
また会う日まで。またシドニーに来れるまで。この週末の楽しみ方は、その時のためにとっておこう。