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20週連続シングルリリースのマーケティング戦略

2020年2月20日から、20週連続シングルリリース企画をしてみた。

これは、去年ロンドンと東京で10曲ずつセルフカバー録音したものを、毎週1曲ずつ配信リリースした企画。アルバムとして一度にリリースもできたが、せっかくなので毎週リリースしてみようと思い立った。

早速Tunecoreに相談すると、迅速な段取りでリリース企画を進めていただき、インタビューやプレイリストへの選曲など、幅広くサポートしていただいた。アナリティクスで再生数やリスナー層も解析できるので、セルフリリースには快適な環境が整った時代だと思う。そんな中で、企画を振り返り、結果や今後改善できる点などを分析してみる。

リスナー数は確実に伸びる

Spotify for Artists で解析してみると、当然ながら、定期的にリリースすると、リスナーの数は増えていく。

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新規ファンは獲得できたか

これが重要な点。自分の事ながら、『Rie fu』というアーティストを客観的に分析してみると、一番多くの方に聴いていただいていたのはアニメに関わらせていただいた頃ではないだろうか。もちろん変わらずフォローして下さる方もいらっしゃるが、この10年ほど、新曲を出しても、どうしても当時の曲の方がいまだに影響力がある印象で、そのジレンマに悩まされてきた。十数年前リリースした同じ曲だけが何度も聴かれている、このような現象だ。特にレーベルにいた時代の曲は権利の事情で配信されていない場合があり、そのためセルフカバーをして改めて原盤権を持ち、再リリースする必要があった。

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昔の曲ばかり聴かれていることは、一曲の持つ力の大きさを意味することでもあるが、発信者としては、常に最新曲を聴いて欲しいと思ってしまう。そして最新曲で新規ファンを獲得し続けることが理想だ。

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しかしフォロワー数を見ると、リスナー数と比べて、急増はしていない。つまり、やはり昔アニメか何かを通して聴いてくれていたリスナーが『懐かしい〜』と思ってフォローしてくれている。ただ、興味深いことに、国別に見ると、一番よく知られていると思われる"Life is Like a Boat"に関しては、日本よりもアメリカ、インドネシア、ブラジルで聴かれている。恐竜並みに時代遅れな日本のレーベルは権利を守るのに必死で海外配信を遅らせてきたが、その反面セルフリリースの方が直接海外に届けやすいという利点はかなり大きい。

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ソーシャルメディアとの連動

この企画を終えて最も重要だと気づいたことが、ソーシャルメディアとの連動。20週連続リリース登録をして終了ではなく、それに合わせた動画、投稿、生配信など、連動した企画をあらかじめ用意して、それらバランスよく連動してやっとリリース企画が成功する。今回は初めは動画投稿もしていたが、徐々に発信が減ってしまったのが反省点だ。毎週リリースしているから自然とリスナーがついてきてくれるだろいうと安心してしまったのが原因だが、他のプラットフォームでも総体的に発信し続けないと、せっかくのリリースも無駄になってしまう。総体的といえば、すべての配信サービスリンクが表示されるTunecoreのlinkcoreはリリースのシェアには欠かせない。 

アルバムが消え、連続リリースが主流になる時代

個人的には、今後はもう一度きりのアルバムリリースはしないだろう。例えばアルバム10曲あったとして、少なくとも最初の5~6曲は一曲ずつリリースし、ビデオや配信コンテンツを固め、注目度がピークになった時に全曲をアルバム作品として発表する。コンテンツが溢れ返る世の中で、手持ちのカードを少しずつ計画的に出していくことが大切だ。

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