5年ぶりに日本で暮らす
この5年間で、シンガポールに2年、イギリスに3年住んできて、今月日本に本帰国した。イギリスから離れて東京に着き、そこから更に喧騒を離れて、今は森の中にいる。近くの滝の音と小川のせせらぎが聴こえ、山の天候で大雨が降り、雷が鳴り、携帯の電波はないが、ネットが繋がっていれば何でもできる時代。ここに小さなスタジオを作ろうと思う。
イギリスでは他の誰とも違う自分の個性に自信を持つことや、既存の社会やシステムを常に疑問視して反発していくパンク精神が養われた気がする。でも日本ではそんな意識は問題視される。だからこそ物事がスムーズに進み、イギリスでは信じられないレベルのサービスや品質が保たれる。つまり、足並みを乱さない事で、日本らしい社会のバランスが保たれているのだ。
そんな自分が、果たしてこれから日本にまた馴染めるのだろうかと不安になり、また、逆に馴染んじゃったらイギリスで得た精神は何だったの?と帰国後一週間は憂うつな気分になっていた。
でも昔からどこの国に行っても馴染んでなかったし、これから馴染むこともないと思う。海外に住んでみると、改めて日本の素晴らしさが痛感できたが、同時に今一番日本に必要なものにも気付いた。
それは、変わり者でいることを肯定すること。足並みを乱す勇気。『型』にハマるんじゃなくて、『型』を破っていくこと。
よくイギリスで耳にする、それにピッタリの英語表現がある。
Think outside the box.
日本でもどこにいても、型破り精神を貫いていきたいと思う。