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報連相が大切な「本当の理由」

『よかれと思ってやったのに─男たちの「失敗学」入門』を読む。

恋バナ収集ユニット「桃山商事」の代表である著者はこれまで1200人以上の女性の恋愛話を聞いてきた。その中で気づいた、失望される男性の共通点や傾向を分析・レポートした一冊。

男女のちがいをテーマとしていて、男性が突かれると「アイタタタ」となるだろうなぁ、という話題がたくさん。しかし女性のわたしであっても、自らに思い当たるエピソードがあってグサグサきた。

たとえば……

「ほうれんそう」が遅すぎる男たち
・彼氏が何かと事後報告で困る。転職も引っ越しも旅行先も相談なしで決めてしまう
・上司も後輩も、仕事を抱え込んで情報共有しない。

そもそもほうれんそうとは、状況を共有し、情報を伝達し、意思の疎通を図ること。それを事後報告されたり、何も相談もなしに物事を進められたりするのは、極端に言えば無視されることと同義。事例を語ってくれた女性たちの中には、自分の存在を軽視されたことによる寂しさや虚しさがあったのではないかと想像する。

何でもひとりで決めたいほうだ、と思う。就職も転職も誰かに相談しつつ、最後はひとりで決めた。ゼミの先輩に「さとりえさんはひとりで決めちゃってすごいなぁ」と言われたエピソードを思い出した。

ほうれんそうはなぜしたほうがいいのか。仕事や人間関係をスムーズにするためなのはもちろん、相手にさみしい思いをさせないためなんだな、とこの本を読んで気づいた。

もうひとつ面白かったのが、「変化を嫌う男たち」という事例。「ラーメンや牛丼など、いつも同じものを食べている彼氏」「初対面の人と交流を避けがちな彼氏」といった例。わたしも変化を嫌いがちなので、ウッとなった……。

これに対しては「変化を嫌うことは『豊かさへの無関心』」と指摘。未知のものは怖いし、習慣を変えることは面倒だが、異文化に触れたり、ときには失敗することも刺激的なことだと。その面倒さを超えた先には「豊かさ」があるので、そこに目を向けることなのかなと感じた。

そのほかの事例でも、すれちがってしまう心理的背景を細かく因数分解している。そのモヤモヤした気持ちを明確に言語化していて、何度も「そういうことだったのか……!」と気持ちがスッキリする一冊。

こちらで試し読みできます。



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