調判定できるようになりたい!【第14回・総まとめ】
これまで、調とは何か、の話から、調号、長短調、近親調、転調、また非和声音に借用和音、と調を判定するために必要な知識を解説してきました。
今回は、総まとめ!ということで、
最後に、調号がない、また転調して調号が関係ない、調号に頼れない場合の調判定をする時の簡単な手順をまとめておきます。
今までやってきたことと重複している部分もありますが、確認しながらやってみましょう。
臨時記号で見る、調判定の手順
①♯調か、♭調か
・♯ばかり付いている→♯調
・♭ばかり付いている→♭調
・♭と♯がついている→♭調で♯が導音の短調かも、と疑う
当然と言えば当然のことですが、まず♯調か♭調かを見分けることが一番にやることです。
♭と♯が付いている場合は~、と上に書きましたが、もっと言えば、この場合はd mollかg mollのどちらかに当たります!
下の音階を見るとわかりますが、
d moll、g mollの第7音が半音上がると♯が付くのですね!
♭調で導音に♯が付くのはこの2種しかありません!!
②♯ or ♭を調号順に並べる
・並んだ→Dur
下の譜例を見てみましょう。
調号に元々付いている シ
あと、ミとラとレに♭が付いています。
(Beethoven: Violin Sonate Op.24; Peters)
調号順に並べてみると、
シ、ミ、ラ、レ
と、順に並べられました。
よって、シミラレが♭のDur、ということで
この部分はAs dur
・どこか穴が空いた→moll
☆♯調
穴あき後に出てきた♯が導音
☆♭調
穴のあいた音(♮)が導音
(同上曲)
穴があいたとはどういうことなのか。
上の譜例の調号、臨時記号を先ほどのように並べてみましょう。
♭が付いているのは、
ミ と ラ
調号のシは♮になっているので、並べてみると、
○、ミ、ラ
で、穴のあいた♮シの音が導音の短調
よって、この部分は c mollです!
ファに♯が付いているので、もしかしてファが導音だと勘違いしましたか?
そのあたりは、第10回のドッペルドミナントの記事で解説しているので、読んでくださいね!
ちなみに、この曲の続きは、こうなってますが、
こうやって半音で下がってくるときの臨時記号は経過音(第6回記事参照)なので、調判定の時は無視してください。
c mollでしたが、練習番号Bのところになったら全部臨時記号が取れてC durになりました。
急に晴れ渡ったよう!
こういう、同主調に転調することを何と言ったか覚えていますか?
出てこない人は第3回の記事を読んでくださいね。
♪♪やってみよう♪♪
問1 上で説明したやり方で、臨時記号を調号順に並べてみたら、次のようになりました。
①~④の調を答えなさい。
(○の部分が空いている場所)
問2
下の曲は何調ですか?
(Chopin; Polonaise no.5 Op.44; Paderewski)
次回は音大入試問題レベルにチャレンジ!です!
質問、感想、ご意見、こんなこと取り上げてほしい!などのリクエストありましたらお気軽にコメントください。
なお、ある程度の知識がある方に向けて書いていますので、これじゃついていけない、という方は、ぜひ個別レッスンに!その人にあったレベルで解説します。(対面、オンラインどちらもあり)
レッスンご希望の方はrie3_e_mail@nethome.ne.jpまで。
♪♪やってみよう♪♪ 解答
問1:①h moll ②e moll ③b moll ④c moll
問2:fis moll