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バイクのバッグに関する雑記

週末は機械の仕事で京都にいた。機械の仕事は沢山の工具を持ち歩くので、余程の理由がない限り車で行く。
千葉から京都は走り続けても6時間くらいかかる。車の運転も嫌いじゃないので、苦にならない。
道中に見かける珍しい車や新しいバイクを横目で見るのが楽しい。

ここ最近思うのは、ライダーの荷物が増えたなあ、ということ。

もう何年も前にバガースタイルが流行っていた。その頃偶然、僕はハーレーのロードキングが欲しくて出物がないかと探していた。

その時に、とあるショップの人に「最近、この手のスタイルが来てますから」的なことを言われて、ヘナヘナと気分が萎えてしまった事がある。天の邪鬼な僕は流行っているものは遠慮したい性分なのだ。

それから数年。

バガースタイル、というか振り分けバッグやパニアをバイクに付けることがすっかりポピュラーになった感がある。
ネイキッドでもスーパースポーツでも取り付けやすいバッグやパニアケースが売られている。

「そうなのかー」と思う。
「それでいいのか?」とも思う。

バイクは身軽、だけど不便。そこがカッコいい点じゃないかと。ライダーならではのツール選びやパッキングの工夫が面白かったんじゃないかと。キット化されているものを選んで取り付けて、何日分でも積載できてしまう。そして近場のツーリングでもバッグを付けたまま、というのは違うんじゃないかと。
そういうのはBMWかツーリングファミリーの特権でしょうが、と思う。

もうこんな意見は中年の戯言、痛いノスタルジーでしか無いことは僕も解っている。

だけど、ライダーは財布とタバコ(僕は20年くらい前にやめたけど)だけポケットに入れて2日くらいフラっと居なくなっちゃう。
そういう危うさが美しいように思う。
(身近にそんなタイプがいたら心配か。)

もしくはベスパで世界一周する人達のように、その暮らしの全てが小さな1台にゴチャゴチャと載っている様子もかっこいい。
(これも日本では歓迎されないスタイルかな…)

ともあれ、箪笥の中身をそっくりそのまま綺麗に持ち歩けるような装備はバイクの楽しさ、創意工夫をスポイルしている気がする。

もっと身軽に、もっと遠くへ。
それがバイクの醍醐味なのではないかと。
数年前はロードキングが欲しかった僕が、今はそう思っている。
矛盾である。


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