介助者と過ごす新幹線の多目的室で感じた違和感と旅の思い出───つぶやき日記[27] 2024年6月1日〜6月29日
ある日。私は母と妹と共に旅行をしに、新大阪に向かうために新幹線に乗る。今回の旅の目的は、岡本太郎の太陽の塔をこの目で見ること。持病の線維筋痛症と慢性疲労症候群のせいで、ほとんど寝たきり生活の私にとって、外出は簡単ではない。それでも、新幹線の多目的室があれば、長時間の移動を耐えられる。なぜなら、多目的室にあるベッドで横になりながら、新幹線で移動することができるからだ。
さて、母と妹と車いすの私の3人で、事前に予約した新幹線の多目的室がある号車の乗車口から車内へ。乗務員さんに多目的室へ案内され、座席をベッドにしてもらう。乗務員さんが去り、母と妹に助けてもらいながら、私は車いすから降りて靴を脱ぎ、多目的室のベッドの上に座る。
そして、妹は指定席へ向かう。なぜなら、多目的室には大人が3人もいられるスペースがないほどまでに狭いだからだ。ふだんは離れて暮らす大好きな妹とは新幹線で十数年ぶりの旅行。だから、いつも私の介助をしてくれる母が多目的にいることになった。本当は、妹ともうちょっと一緒に居たかった。せっかく、3人での久しぶりの旅行なのに。
そんなことを思いつつ、母に手伝ってもらいながら、揺れる車内で事前に買っておいた駅弁を食べる準備をする。すると、妹から駅弁の蓋を外した中身が撮られた画像が送られてきた。駅弁を買うときに、旅行でテンションが上がっていたせいか、多目的室のことなんかすっかり忘れて「私の駅弁もあげるから、お互いの駅弁を味見し合おうよ。」と、一緒に駅弁を食べる話を母や妹としていた。そのような話をしていたから、妹は駅弁の蓋をとった中身の画像を送ってくれたのだろう。
そうして、私も駅弁を撮り、妹に送る。多目的室のベッドの隅っこのほうで座る母と離ればなれになった妹からの駅弁の画像を見ながら、自分たちの駅弁を食べる。そして、食べ終わると、母も妹がいる指定席のほうへすぐに移動する。なぜかというと、多目的室に介助者がくつろげる場所がないからだ。
じつは、多目的室をベッドにして利用するとき、介助者が座る座席はパイプ椅子なのだ。そのため、車内がガタガタ揺れる中、この椅子で何時間も過ごさなければならない。
また、旅行に必要な荷物や車いすが多目的室にある状態でパイプ椅子を置くと、部屋の出入り口が埋め尽くされてしまう。その状況で、パイプ椅子に座って足を伸ばすとぶつかる。崩した姿勢で座ることもできない。そんなことがあり、多目的室には介助者がくつろぐ場所がないのだ。
つまり、この多目的室は介助者がベッドで寝ている本人と何時間も一緒にいることを想定されていないのだ。
そういった事情があり、母が多目的室にいるときは、ベッドの端っこに座る。そして、私がゆったりと寝られるようにするためにも、食べ終わったらすぐに出ていくのだ。
===
母がいなくなり、ひとりで多目的室の天井を見ながら、ベッドで寝る。ふと、JRとのやり取りを思い出す。今回の旅行のために電話で多目的室を予約したとき、「原則、介助者の方には、常に本人のそばにいてもらうようにお願いしています。」と言われて、困ってしまったことを。たしかに、安全面を考えるとそうなのかもしれない。JRがそう言うのもわかる。けれども、現実は違うのに。その後、私がJRに病気や多目的室のことなどの事情を詳しく説明したら、「つきっきりで介助者がいなくてもいいことになりました。」と言われ、大丈夫となった。けれど、電話が終わった後、なぜか泣いてしまった。
もし、多目的室を広くなって、介助者の椅子が指定席のように何時間も座れるような快適な座席になれたら。それだったら、母とずっと一緒にいられたかもしれない。さらに、夢を言うならば、新幹線に4〜6人くらい利用できる、車いすも置けるような個室があれば、私は母と妹と一緒にいることが可能だったかもしれない。
===
ひとりが好き。だけど、ここはなんだか寂しい。まるで、隔離されているかのよう。ひとりのが気楽でいいのに。指定席にいる母と妹はどうしているのだろう。そんなことを考えつつ、イヤホンから流れる音楽と共に眠りにつく。
そうして、無事に新大阪駅に着いた。今回の旅の目的である太陽の塔を見ることができた。けれど、多目的室の問題は、このままでいいのだろうか。いつの日か、多目的室が改善されたらいいなと願いつつ、お土産に買った太陽の塔のフィギュアを今日も眺めている。
さてさて、前書きはここら辺で終わりに。今回は、2024年6月のつぶやき日記です。つぶやき日記とは、当時のしりこのTwitter(@ricrck)に載せていたつぶやきをもとに書いた箇条書きの一カ月間の日記です。
★Twitterの呟きをもとに、新たに書き足して編集したものを日記に載せています。
★日記でたまに出てくる「猫様」とは、うちで飼っている猫です。
2024/06/01
いつからだろう。脳内でパッと浮かんた言葉の中で、気になるものはメモするようになった。それが一言でも、何でも、とにかく書いておく。書くことで、モヤモヤしていた心の整理になる。だからか、スマホのメモ帳には、謎のメモがたくさんある。
どんなことがあっても、私は書き続ける。それがもう身体に染み込んでいる。私にとって書くことは大切なこと。どうやら、私は書くことから逃げられないようだ。果たして、これがいいことなのかどうかわからない。けれど、こうやって言葉に残すのが、私の生き方なんだろう。
2024/06/03
ここしばらくメンタルが不調気味だったが、やっと落ち着いてきた。とりあえず、無理しすぎない程度で継続可能なスケジュールにしよう。焦らずに、ゆっくり。
2024/06/05
1970年の大阪万博に関して本を読む。すると、必ず出てくる岡本太郎。当時のインタビューとか読むと、周囲から誤解されて嫌われようが、しっかり責任を持ってやるべきことをやる孤独を抱えた人に見える。そんなひとがあの有名な太陽の塔を作ったとは。
しかしなぜ、1970年の万博はその後の日本に強く印象が残ったのか。そんなことを考える夜。
2024/06/08
大阪旅行へ行ってきた。楽しかった。そして、太陽の塔に行ってきた。塔の中にずっと居たいと思うほど、太陽の塔がすごくよかった。事前に岡本太郎や岡本敏子、万博関連の本を読んでいたので、より楽しかった。万博記念公園が大きくて、見たいところすべて見れなかった。悔しい。また行きたい。
万博記念公園にある1970年の万博のときに作られた太陽の塔。塔のショップも岡本太郎だらけだったけど、公園のショップもほぼ岡本太郎。1970年の万博には他にも有名人が多数関わっているはずだが、人びとの記憶に残ったのは、やはり岡本太郎なんだなと改めて気付かされた。太郎はすごい。
そして、ミャクミャク。大阪には、2025年の大阪万博のポスターを結構見かけた。新大阪駅の感じだと万博の告知がされて目立っている感じがするけど、東京に戻ると無になる。これを東京にもっと貼るべきなのではと思ったり。まあ、せっかく、大阪に行ったので、ミャクミャクをお土産で買った。
大阪旅行の感想を書こうと頑張っていたら、疲れて夜遅くになってしまった。書き始めてどのくらい時間がかかったのだろう。1時間半はかかっているはず。脳が上手く働いてくれない。旅行の疲れで身体がダメダメだけど、書きたくて。この衝動を抑えらないから、文章を書き続けているのだろう。
2024/06/09
大阪旅行へ行ったときに買ったお土産。アクリルスタンドのミャクミャクと猫様。一緒に撮ろうとしたら、猫様がミャクミャクに噛み付いた。これもこれでよし。
2024/06/10
次回noteに載せる記事を書いている。ここ数年、私が密かにやってきたことの成果を文章にするものなので、ものすごく時間がかかっている。だけど、今月には公開できそうだ。うん。頑張ろう。
2024/06/12
今日は昼間にめまいがクラっときた。ああ、旅行の疲れがまだ残っているせいか、体調がダウン気味。持病の線維筋痛症の激痛が活躍中。仕方がない。そんなときは猫様を撫でて、ゆっくりゆっくり。そして、少女漫画を読むのだ。
2024/06/13
最近、暑さにやられて活動が深夜に。そして、つぶやきも深夜に。ぬぬ。6月なのに、真夏のような感じ。まだまだ夏はこれからなのに、もうダウンしてて大丈夫なのかと不安になる。けれど、それでも冬よりは楽。寒いのが一番つらい。
ファミマプリントでうさぎゅーんのカレンダーをゲット。とりあえず、三ヵ月分。汚れ防止のために、三枚とも写真用スリーブ(透明な袋)に入れてみた。部屋に飾ると季節感が出て、いい感じ。夏のうさぎゅーん、かわいい。
2024/06/15
いま、次回作の作業をしているけど、予想以上に資料代などでお金が消えていく。自分のマネーから払うのもいいけど、書き続けるならあまりよくない。モチベーションを維持するためにも、お金を稼ぎたい。だから、次回作とはまたべつの記事で、資金集めが目的の有料記事を書こうか悩み中。むむむ。
noteに載せる予定の次回作を書き書き。もう少し頑張れば、あと数日で公開できるかも。今回はいつもより字数が多いので、チェックも大変。だけど、完成を目指して頑張るぞ。
2024/06/16
お気に入りのTシャツが伸びてしまった。まだ買ったばかりなのに。悲しい。そんなことを思いながらも、猫様を撫でる日々。
2024/06/17
note記事を書いた。今回の記事は、日本の恋愛とアセクシュアルの歴史を辿りながら、草食系(草食系男子)とアセクシュアルについて語ったもの。そして、アセクシュアル情報を得るために必要なアセクシュアル界隈の基礎知識などについて語った記事も書いた。
じつは、『草食系とアセクシュアル───歴史から見る恋愛観の変遷』はゲンロンβで連載されていた、さやわかさんの『愛について』で書かれていることを元に、恋愛とアセクシュアルの歴史などを書いている。『草食系とアセクシュアル───歴史から見る恋愛観の変遷』は、アセクシュアルだけじゃなくて、恋愛や結婚・家族に関しても刺さることを書いた。日本を考える上でも、わりと重要なことを書いたような気がする。はたして、どのように読まれるのだろう。
記事のお知らせしたら、ホッとしたのか疲れが出てきた。さて、ゆっくりしよう。
2024/06/18
なぜ、私が草食系とアセクシュアルについて書いたのか。アセクシュアルに詳しくなくても、読めるエッセイを書いた。本編もあとがきも長くなったので、記事を分けて公開することにした。
さて、連続したお知らせが終わったのでほっと一安心。よかった。書き終えることができた。
2024/06/19
「おやすみしないとね!」と身体が言いたいのか、眠気が襲ってきて気がついたら寝ている。いまは、持病の線維筋痛症の激痛よりも、眠気のが強いみたい。ここ最近、ずっと執筆作業をしていたので、その分の疲れがいま来ているのだろう。けれど、もうちょっと起きていたいな。無理かな。
2024/06/20
暑くなったり涼しくなったり、温度差がキツい。そのせいなのか、ずっと寝てばかり。昨日も今日も気がついたら寝ている。寝ているの飽きた。そろそろ、動きたい。しかし、持病の線維筋痛症は「そんなことさせない!」と、全身の激痛と疲労感と眠気をガンガン症状として出してくるのだった。
noteで新しく記事を公開した後、いつも身体が弱って宣伝が出来なくなる。解決策は、その前に楽にできる宣伝を考えておくなんだろうけど、なかなかそこまでやれていない。むむむむ。
ブラシマッサージで喜んでいる自然な猫様の様子を撮ろうとして、猫様に気付かれてしまったときの写真。しっかりカメラ目線。でも、かわいいのでオッケー。
2024/06/21
アセクシュアル関連の話。Aro/Aceって言葉、使いづらいよなとつくづく思う。日本語で表せるようにしたほうが広まる気がする。かといって、それに適した日本語が浮かぶわけではないけれど。また、アセクシュアル・スペクトラムも長い。これも、人びとは覚えないだろうな。昔の人たちは輸入した用語をきちんと日本語にしてて本当にすごいなと改めて思う。
2024/06/22
むかし行った美術館や映画の半券などをバインダーやリフィルで綺麗に保存するのにハマっている。楽しい。
2024/06/23
部屋から東京オリンピックのクリアファイルが出てきた。「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」か。アツイ。せっかくので、綺麗に入れてとっておくことにした。透明な袋に入れて、クリアファイルをバインダーに収納するためのリフィルを使って保存。
しかし、「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ。」と書かれたクリアファイルに対して、猫様の表情がいい感じだ。
2024/06/25
数日前からnoteに載せる次回作を少しずつ書いている。ゆっくりまったりな暑い日の夜。冷房が程よくついた部屋で快適に過ごす猫様。気持ちよさそうで何より。
2024/06/26
暑さと温度差にやられる日々。今年はとにかく前日との温度差がひどい日が多くて、持病の線維筋痛症の症状もキツくなる。ぐぬぬ。そんな私は、夏バテ気味。
2024/06/27
特定のマイノリティを表す用語をタイトルに入れちゃうと、昨今の状況ではSNSで気軽に感想を書けない。だから、タイトルをつけるときに、特定のマイノリティを表す用語を入れるかいつも悩む。おそらく、いまの時代でいろんな人に読んでもらうためには、共有しやすいタイトルが必要なのかもしれない。
これからはタイトルに特定のマイノリティを表す用語は避ける方向になるかもしれない。閉鎖的なものではなく、開かれた文章を書いていきたい。とはいえ、つい癖でタイトルに入れそうだ。メモしておこう。
2024/06/28
夕飯を食べていて吐きそうになった。今日は調子が悪すぎて、ダメだ。ううう。
2024/06/29
昨日の夜はなぜ、あんなに調子が悪かったのだろう。耳に入ってくる音がつらくて、ノイキャンイヤホンで防いでいた。吐き気もして、ひどい夜だった。だから、今夜は昨日のぶんも楽しむ。
じつは、今月公開したアセクシュアルの記事を書いた後、しばらく燃え尽きた感じになっていた。文章を書くのに、頑張りすぎたかな。でも、創作はある程度、無理をしないとできない。その加減が難しい。けれど、今回のアセクシュアルに関しては、個人的にもお気に入りの作品になれたので、よしとしよう。
===以下、お知らせなど===
▷▷公式LINEの通知を使ってnote記事などの更新のお知らせを受け取れます。友だち追加はこちら
▷のしりこ 公式サイト
https://ricrck.com
▷Twitter
https://twitter.com/ricrck
▷のしりこのリットリンク(のしりこのSNSなどのリンクまとめサイト)
https://lit.link/ricrckricrck