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梅の和歌をいくつか
朝と夕、寝室のシャッターを上げ下げするために窓を開けると、ふんわりと梅の香りがただよう。いま、庭の白梅は満開だ。
梅の香り、風、袖、月の光、雪。
香りが、昔の歌人の歌をいつも思い出させてくれる。
東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春な忘れそ
―菅原道真
色よりも 香こそあはれと 思ほゆれ
たが袖ふれし 宿の梅ぞも
―よみ人しらず
梅が香に 昔をとへば 春の月
こたへぬ影ぞ 袖にうつれる
―藤原家隆
上等な誰が袖の香りを胸いっぱいに吸い込んで春の夜の夢に耽溺す。