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髙島野十郎展 久留米市美術館

春の夜

花に染(そ)む心のいかで残りけむ 捨て果ててきと思ふ我身に 詠んだのは西行だったと思う。いくつもの歌を書き溜めたノートは、桜が咲くたびに開かれ、目で奏で、年輪を刻むように今年の想いを封じ込める。

焚き火をするとスモーキーな匂いが衣服にも移るんだけど、その匂いが一番強く付いた上着を洗うのに、洗剤を使わなかったのはわざとかな。焚き火の残り香に焚き火の残像。おーいって鳴く朝方のフクロウの残響。

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