【大好きな父⑥】天国へ逝く(完)
2012年7月19日 0時58分
父は永眠した。享年61歳。
初めての葬儀、喪主。
悲しむ暇もなく、準備に追われる。
生前父から、自分が死んだら連絡して欲しい人リストを渡されていた。
私の知らない人だ。
その方々に連絡して、父の訃報を知らせた。
そして、私は喪主として大忙し。
4人家族だったのに、なぜ父と2人家族になったかは、いつか記したいと思う。
お通夜、葬儀には予想を遥かに超える多くの参列者が来てくださった。
父と同年代のおじさま方が、声をあげて泣いている。
その姿に胸を打たれた。
私は父が闘病中に、父の意外な素顔を、いくつも見ることができた気がする。
自宅では無口でほとんど話さなかった父だが、父をよく知る人から、父の話を聞いたり、父がその方々と接している場面を目にして、何度も、意外性に驚いたものだ。笑
お通夜では椅子が足りず、廊下、ロビーにまで並べられた。
こんなに沢山の方に、父が支えられて生きてきたこと、周りを恥じずに大声をあげて泣いてくださる方がいること、娘として、誇らしかった。
そして、いろんな方が私に声をかけてくださった。
「お父さんは、自分の人生を思いっきり生きた。早すぎたけど、悔いはなかろう。お父さんみたいに生きれる人はなかなかいないよ。」
と。
私が知ってる父は、人を大切にする人だった。
困ってる時にはきっと手を差し伸べたり、親身に話を聞いてあげたり、したんだろうなぁと思った。
私は喪主挨拶で、父に代わって、精一杯の感謝の気持ちを伝えた。
61年の生涯、早すぎる別れとなったが、沢山の人に見守られ、見送られ、父の人生は本当に幸せだったのだろうと思う。
最後は、祖母に見守られて、(正式には祖母が寝ている間に)息を引き取ったところが、なんとも父らしい。
無事に葬儀を終えた後、不思議な感覚に襲われた。空から父がニコニコして私に、「大したもんだ、よくやった!」と褒めてくれてる気がした。
ありがとう、お父さん。
あれから毎年、この時期になると父のことを思い出す。
お父さん、たくさんの愛をありがとう。
私はお父さんに出会えて、最高に幸せでした。
29歳の自分の誕生日に綴った「感謝の気持ちを大切に」生きてるよ。お父さん、安心してね。
完💙
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
RICO
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?