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「IBS(過敏性腸症候群)」という「すぐうんちしたくなる病」への理解がなさすぎてつらい
皆さんは「IBS(過敏性腸症候群)」という名前を知っているだろうか。
医学的な説明は専門サイトに委ねるが、端的に説明すると「すぐにおなかが痛くなる(うんちしたくなる)」という「症候群」である。
自覚がないほど軽度ではあるが「そういえばそれ、自分のことだ」という人も多いだろう。
まぎれもなく(軽度の)IBS(過敏性腸症候群)である私が、その生きづらさについて語りたい。
「IBS(過敏性腸症候群)」とは
先述の通り、端的には「すぐにおなかが痛くなる(うんちしたくなる)」という症状全般を指す「症候群(症状の集まり)」である。
「病気」ではなく「症候群(syndrome)」と表している通り、IBS(過敏性腸症候群)は明確な病原菌がいるわけではない。
精神的なストレスや自律神経の不調をトリガーとして主な症状としては腹痛、下痢、便秘など腸にまつわる不調を発症する。(と言われている)
自覚のない軽度のものを含めると10人に1人はいると推定されているほどの「現代病」の一つといえるだろう。
こういった説明だといかにも舐められそうだが、重症の人であれば生活に大きく支障をきたしている。
重症であれば例えば次のようなケースがある。
・電車に乗ると腹痛になり、トイレに行けない恐怖からパニックになる
・外出するとすぐに腹痛に襲われるため、外出ができない
・会議など人と話すときに緊張してトイレに行きたくなってしまうため、人と関わる仕事ができない
こういった症状に悩まされて大きく生活を制限されている人がいるという現実がある。されに明確な病気ではない原因不明の「症候群」のため、「病気だから」という言い訳すら通用しないつらさを抱えて彼らは生きている。
軽度のIBS(過敏性腸症候群)の場合
さらに軽度の症状となると一気に「わかる、自分も!」という人が増えるだろう。
私も軽度のIBS(過敏性腸症候群)の一人である。
下記のような症状と付き合いながら生きている。
・出かける直前にトイレに行きたくなる(しかも長い)
・電車や飛行機などトイレのない空間が怖く、事前に必ずトイレに行く
・会議などの直前に「あ、やばいうんちしたいかも」となる
・常にトイレの位置を把握しながら行動しないと気が済まない
・トイレのついていない長距離バスなど言語道断
あなたやあなたのまわりにもこのような人がいるかもしれない。
傾向としてはやはり几帳面な人や責任感の強い人、最近では「HSP」ともいわれるいわゆる抱え込みやすい人が発症しやすいと言われている。
理解のなさが最大の悩み
そしてIBS(過敏性腸症候群)代表として最大の悩みを言わせていただくと
世間のIBS(過敏性腸症候群)に対する理解のなさ
である。
・出かける直前にトイレに行くと「なんで今行くの?」と言われ
・トイレのため電車を降りたいというと「次の電車待つの面倒」と思われ
・うんちが思うように出ていない日は出かけるのすら億劫になる(言えない)
このような他人の思いを気にするあまり、余計にしんどくなる(そしてさらにおなかが痛くなる)
よってIBS(過敏性腸症候群)の人は一人で行動する(好き勝手にトイレに行ける)ことを好むようになる。
理解のあるパートナーや家族の存在
幸いにも私は妻に理解がある(理解するまで長年かかったが)ので遠慮なくトイレに行くし、それによる迷惑をかけまくっている。
どんな状況であっても
「いいよ、ゆっくりしてきな」
という理解ある家族の存在は本当にありがたい。
IBS(過敏性腸症候群)の人にとっては基本的に人と行動することがストレスになりかねないため、多くの時間を共に過ごす家族には理解がないと成り立たないのである。
また、IBS(過敏性腸症候群)は大人だけの症状ではない。
私自身も子供のころから悩まされているし、世の中の親の対応は特に厳しい。
出かける前にトイレに籠ろうものなら
「また?出るのわかってるんだから先に行っときなさいよもう!」
と毎回怒られる。
私からするとこんなプレッシャーは虐待もいいところだ。
喘息で咳をする子供に
「また?うるさいからやめなさい!」
と言っているに等しい。
「出るのわかってるんだから先に行っときなさい」?
そんなこと、もちろんわかっている。
厄介なのは、「今行くと間に合わないタイミング」だからこそ発症するのがIBS(過敏性腸症候群)なのだ。
こうした理解のない人と共同生活を送るのは大変なストレスになる。
IBS(過敏性腸症候群)が人生を楽しむうえでは、理解あるパートナー・家族の存在が必要不可欠である。
IBS(過敏性腸症候群)の人へ仲間からのアドバイス
といっても、世間の理解の低さを嘆いていても仕方がない。
ということで30年以上この症状と付き合いながら生き、何度もうんちを漏らしてきた私からIBS(過敏性腸症候群)の人にアドバイスを送ろうと思う。
※重度の症状の方にとっては気休め程度にしかならないかもしれない。彼らの苦労は私の想像すらも絶していることだろうから・・
大前提として、仮にうんちを漏らしても死ぬわけじゃない(今日も多くの人が漏らしている)
それは強く意識したうえで下記を意識すれば少しは気が楽になるかもしれない。
嫌なイベントは全力で避けて生きればよい
我々は病気なのだ、人と同じ生活をする必要はない。
電車やバス、飛行機、タクシーなど人によって特に苦手な乗り物があることだろう。そんなものはいくらでも避けてほかの手段を使えばよい。(そのために多少お金がかかっても構うな)
私の場合だと長距離バスはまず無理だし、各駅停車でも若干の苦手意識がある(途中で降りてもトイレがないため)。
電車も毎日長時間の通勤となると不可能に近い。
なのでもはや会社の徒歩圏内で暮らしている。
旅行が好きなので飛行機が避けられないのがキツイが、他の人と行動を共にするようなツアーの類はまず申し込まない。
車は出来るだけ使わないし、特に渋滞の可能性があれば確実にほかの手段を選ぶ。
私が海への旅行が好きなのは「いつでも漏らしていいから」である。
最悪の場合を具体的にイメージする
「考えないようにする」のではなく、徹底的に考えうるケースと向き合おう。
「このタイミングでもよおしたら」「今漏らしたとして」どのような対処が可能かを想定しておく。
・次の駅で降りられればリカバリー可能か?
・乗務員の制止を振り切って駆け込めるか?
・会議進行をあの人にパス出来るか?
など実現可能性をイメージし、何が起きたらどんな行動をするのかを考えておく。軍隊やSWATと同じだ。
防災グッズを持ち歩く
また、具体的にアイテムを準備しておくことはお守りとして精神的な負担緩和にも役立つ。
・下痢止めなど、薬類
・替えのパンツやタオル
・(車の場合)簡易トイレを積んでおく
などがあればかなり対応できる緊急事態の範囲が広くなる。
繰り返しになるが、使わなくとも持っておくこと自体が精神的に楽になるのでバッグに「防災グッズ」として常備しておくだけでかなり違う。
僕らは何も悪くない、胸を張って生きよう
IBS(過敏性腸症候群)の気持ちが分からない人からしたらこの記事全体がふざけているように見えるかもしれないが私はもちろん真面目だし、当人読者たちから見ると一切ふざけてないことが伝わるだろう。
最後になるが、病気においては原因が自分にあるものと完全に運ゲーのモノがあるが、IBS(過敏性腸症候群)は後者だ。
不摂生な生活をしたわけでも甘いものを食べすぎたわけでもない。
たまたまうんちの悪魔に選ばれた被害者だ。何も悪くないし何も申し訳なくない。
会議を退出しようが電車を降りようがうんちを漏らそうが、IBS(過敏性腸症候群)への理解が少なくフォロー出来ない社会と周りに責任がある。
恥じることなく胸を張って堂々と生きよう。
そして、今日も数百万人以上の「仲間」がトイレのことを考えている(もちろん私も)。
あなたは、一人じゃない。
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