体育で熱中を生み出す簡単な仕掛け〜何の変哲もない運動がジャンケン1つで能動的に〜
先週は、瀬戸solan小学校の公開授業で渡辺道治先生の授業を参観に行きました。会場や懇親会では、今までオンライン上でのやり取りはしていても、会ったことのない方々と会うことができました。オンラインで素敵な方々は、やっぱりリアルでも素敵でした。
そして昨日は、渡辺道治先生の話し方講座『話し方のチカラ 第2講座』を受講してきました。そこでも、素敵な方々との再会、そして、なんと、同じ自治体から参加されている方にも出会いました。しかもその熱量が素晴らしく、会が終わった後も喫茶店での話が盛り上がりました。人に会うって本当にいいもんだなぁと改めて感じたリッケンです。
さて、今日は『体育で熱中を生み出す簡単な仕掛け』についてです。
世の中に、様々なゲームがありますが、これから先たった一つのゲームだけしかやれないといわれたら、どのゲームを選びますか?
私は、迷わずジャンケンを選びます。
ジャンケンのよい点を挙げてみましょう。
まだまだ、ジャンケンのよさはあると思います。こんなによいところがたくさんあるジャンケンのを考え出した人にはノーベル賞をあげてほしいくらいです。
今回は一番最後の項目、「何の変哲もない学習に組み込むだけでなんだか楽しくなる」に着目して体育の授業で使えるテクニックを紹介します。
先日、あるクラスで体育の授業を行うことになりました。単元はラインサッカーと持久走でした。
そこで、「走る」と「ドリブルする」ということを中心に据えて前半の活動を組み立てました。
線を描く
まずは下のような線を描きます。
直径5mくらいの円と右側に〇左側に×を描きます。
①ジャンケンをして走る
この活動を3分間行います。
「3分間で何週できるかな?」と周数を意識するように声をかける先生方も多いのではないでしょうか?
ですが、そんなことをしなくても、ジャンケンして勝った人は右、負けた人は左という仕組みを組み込むだけで、子どもたちのやる気が爆上がりします。たった3分間ですが、汗だくになりながら「走る」を楽しんでいました。
②ジャンケンをして同時に戻ってくる
先ほどの①の活動は、どちらかと言うとたくさん走ることを目標に子どもたちは活動します。終わった後は、汗だくぜえぜえの状態です。
そこで②では、ゆったりと走ることをめあてとします。
大切なルールは、「相手の動きを見て同時に円の中に入る」です。自分一人で動くのではなく、相手の動きを見ながら調整して動きます。調整力を養う活動です。
と子どもたちに伝えてから活動に入ります。
ハイタッチが決まると「イェーイ」と元気な声が響きます。
➂ジャンケンドリブル
最後は、主運動となるサッカーに結びつけました。
ルールはその1と同じで、ドリブルで行います。
と声をかけてから始めました。
まとめ
このようにジャンケンを活動のどこかに組み込むだけで、子どもたちの熱中度が上がります。
活動のポイントは、少しずつ内容を発展させたり変化させることです。
今回の場合、ジャンケンをして、勝ったら右回り、負けたら左回り、時間内に何度も行うという大枠は変わりません。
細かいルールとして、
と変化していきます。
変化しない大枠があることで子どもたちは見通しがもてます。見通しがもてることにより安心感をもって活動に参加できます。ただ、安心感には、緊張感を失わせだらけさせるというマイナス面もあります。そこを補うのが小さな変化です。
小さな変化があることによって、安心感をもちながら程よい緊張感を保つことができます。それが、熱中につながっていきます。
体育に限らず、このような視点をもって活動を設計すると子どもたちが前向きに参加しやすくなります。
この活動には、子どもたちの熱中体験を生むというだけでなく、クラスの人間関係にも変化をもたらします。
この活動では、ジャンケンをしなければ、次に進むことができません。いつもなら、仲の良い子や男子同士、女子同士でジャンケンをしてしまいます。ところが、円の中に、仲のよい子や同姓の子がいないこともあります。そんな時、先に進みたい子は、普段声をかけない子に「ジャンケンしよう!」とさそいます。そこから、新しい人間関係が紡がれていきます。
いいとこずくめのジャンケンを使ったこの活動、取り入れてみませんか?
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