心の声がだだ漏れの子に②
行きつけの地元のバーではお客さんがいっぱいいると、いつもマスターからほって置かれます。あとでマスターから、「リッケン君はさ〜、ほかっといても、知らないお客さんとしゃべってくれるじゃない。だから助かるんだわ〜」と言われました。小さい頃から変わらず、今もおしゃべりなリッケンです。
前回の記事では、おしゃべりが止まらない子どもたちの衝動性について、わたしの小さかった頃の経験を交えて書いてみました。まだ読まれていない方は、こちらの記事を先にお読みください。
要点は以下の3点です。
はい、よくわかりました。でも、気長に伝えていくってどうやるの?だって四六時中しゃべってるんだよー!なんて声が聞こえてきそうです。
私は、そんな子どもでしたので耳が痛い。今まで担任してくださった先生方、本当にごめんなさい🙇
今日は、心の声がだだ漏れでしゃべりっぱなしの子どもたちを担任する先生方の心が少しでも軽く、そして、そんな子も前向きになれるような方法を考えていきたいと思います。
教師にとっての問題点・子どもにとっての問題点
心の声がだだ漏れの子に対して、普通に対処していくと、注意・指導の雨あられとなります。そんな指導を続けていくと、以下のような問題が表面化していきます。
厳しく注意をしても、改善するどころか悪くなるばかり。
そこで今回は、厳しく注意するという方法ではなく、集団の中でどう振る舞っていけばよいか気づかせる方法を6つ紹介します。
①ユーモアで返してみる
思い立ったら即行動の子どもたち。授業中の問いに対しても答える場面でなくとも即答します。結果、みんなの考える楽しみを奪ってしまうこともあります。
日常茶飯事すぎて注意すると「また〇〇か〜」と雰囲気も悪くなりがちです。そこで、こんな言葉でユーモアを交えて気づかせるようにしています。
②今は何する時間かな?
しゃべってしまったことを咎めるのではなく、どう行動すべきだったのか気づかせることが重要です。
そこで、本人に問いかけて気づかせます。
こんなやり取りを何度か繰り返すと、「今は何する時間?」「話を聞く時間」、「質問は?」「説明が終わったら」とキーワードで答えてくれるようになります。
③周りの気持ちを想像させる
よくも悪くも正直に気持ちを出す子どもたちです。マイナスの気持ちを公の場で出した時は、それを周りはどう受け取るのかを考えさせます。
時には、みんなの気持ちを代弁して本人に伝えることも大切です。そうしていくことで、自分の行動が周りからどう映っているのか、客観的に見られるようになっていきます。
④ジェスチャーで気づかせる
いちいち口頭で注意をすると、授業の流れが停滞したり、教室の空気が冷えたりします。そんな時は、ジェスチャーで気づかせるのも手です。
こんなジェスチャーをよく使います。「お口」と言ってからミッフィーのポーズで指導していると、子どもも覚えます。「お口」というと、子どもたちが人差し指をバッテンにしてミッフィーポーズをして、何とも可愛らしい反応をしてくれるようになります。
⑤肩をポンポン
肩をポンポンとしてから「声が出ちゃってるよ〜」と伝えます。
大抵、すぐに気づいて口を閉じてくれるので、「すぐに口を閉じられたね」と認めることも忘れずに。
慣れてくれば、声かけをしなくても、ポンポンだけで気づいてくれます。
⑥2人だけの秘密の暗号を決める
「2人だけの秘密の暗号」この言葉の響きは子どもの心をワクワクさせます。
こんな風に話し合って進めていきます。
初めは、耳を触って知らせてもきょとんとしていますが、「そうだった!」と気づくとうれしそうに口を閉じてくれます。
他には、鼻を触る、メガネを触る、頭をかくなどいろんなサインが考えられます。その子と話し合いながら決めていくのがよいですね。
まとめ
今回は6つの方法を紹介しました。どれか一つでもよいなと思ったものがあったら試してみてください。
効果が出るまでには時間が掛かりますが、気長に継続して試していただけるとうれしいです。
これは、発達に凸凹のある多くの子を見てきた私の経験則でしかありませんが、多くの子は4年生後半から6年生にかけてグッと成長し、自分をコントロールできるようになっていきます。
その手助けとなるのが、先生方の、集団の中でどう振る舞っていけばよいか気づかせる関わりです。ぜひ、将来の成長を信じて気長に関わってくださったらうれしいです。
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