【音楽遍歴】2001年に聴いていた音楽とベスト3アルバム
はじめに
今回は2001年1月から2001年12月に聴いていた音楽とベストアルバムについて書こうと思います。
この年はプライベートで色々とキツいことがあってフィジカル的にもメンタル的にも大変だったのですが、Depeche ModeとかPrefab SproutとかNew Orderといった学生時代からのヒーローの新譜に随分救われました。それに加えて、以前は今ひとつピンと来なかったバンドが、それまでの評価を激変させるアルバムをリリースして、新しいヒーローにも出逢うことができた年でもあります。
今回は、そんな時期に購入したアルバムとベストアルバムについて書いてみたいと思います。
2001年に購入したアルバム
この年も引き続き大量購入していました。前年同様に、新しいバンドに食指を伸ばすのはソコソコに抑えて、昔から好きだったバンドやこの数年の間に行くようになったバンドの新譜を買うことが多かったようです。
A Story in White(Aerogramme)
10,000 Hz Legend(Air)
The Impossible Thrill(Alpha)
The Red Thread(Arab Strap)
Free All Angels(Ash)
I'm Walking up to Us(Belle & Sebastian)
Jonathan David(Belle & Sebastian)
Hot Shots II(The Beta Band)
Fat Chance(Biscuit Boy)
Vesperline(Bjork)
Accident Melodies of the Future(Build to Spill)
Biggest Bluest Hi-Fi(Camera Obscura)
Best Your Crazy Head Against the Sky(Captain Soul)
Paper Scissors Stone(Catatonia)
Wonderland(The Charlatans)
Take back the Universe and Give Me Yesterday(Creeper Lagoon)
Discovery(Daft Punk)
The Photo Album(Death Cab for Cutie)
Exciter(Depeche Mode)
Regeneration(The Device Comedy)
Songs from the Jet Set(Drugstore)
Flowers(Echo & The Bunnymen)
Asleep in the Back(Elbow)
Big Surprise(The Elms)
If You're Never Been(Embrace)
Even & Jaron(Even & Jaron)
Dog in the Sand(Frank Black & The Catholics)
The Argument(Fugazi)
Beautiful Garbage(Garbage)
Transmission(Gay Dad)
Gorillaz(Gorillaz)
How I Long to Feet That Summer in My Heart(Gorky's Zygotic Mynci)
Isolation Drills(Guided By Voices)
Dead Media(Hefner)
Angels of the Universe(Hilmar Örn Hilmarsson & Sigur Rós)
Bavarian Fruit Bread(Hope Sandoval & The Warm Inventions)
Natural History(I Am Kloot)
Music of the Spheres(Ian Blown)
Pleased to Meet You(James)
I Heard Myself in You(January)
Quiet Is The New Loud(Kings of Convenience)
Finbegin(Lazycame)
Lilac6(The Lilac Time)
Things We Lost in The Fire(Low)
Just Backward of Square(Lowgold)
Know Your Enemy(Manic Street Preachers)
A Tall Tale Storyline(Mazarin)
Stuntman(Medal)
All Is Dream(Mercury Rev)
Vague Us(Mo-Ho-Bish-O-Pi)
Modjo(Modjo)
My Father Mu King(Mogwai)
Rock Action(Mogwai)
The Sorrowful Mysteries(Monica Queen)
Fly Casual(Mover)
Loss(Mull Historical Society)
Origin of Symmetry(Muse)
Get Ready(New Order)
Mechanical Wonder(Ocean Colour Scene)
Cydonia(The Orb)
The Altogether(Orbital)
Outerstar(Outerstar)
The Human and Other Stories(Prefab Sprout)
All This Sounds Gas(Preston School of Industry)
The Rainbow Children(Prince)
We Love Life(Pulp)
Reveal(R.E.M.)
Amnesiac(Radiohead)
I Might Be Wrong: Live Recordings(Radiohead)
Y'All Get Scared Now, Ya Hear!(The Reindeer Section)
All About Chemistry(Semisonic)
So Close(Six. By Seven)
Lookbook(Slut)
Rotten Apples: Greatest Hits(The Smashing Pumpkins)
When It's All Over We Still Have to Clear up(Snow Patrol)
From Here on in(South)
It's A Wonderful Life(Sparklehorse)
A Different Lifetime(Spearmint)
Let it Come Down(Spiritualized)
Surely Tomorrow You'll Feel Blue(The Starlets)
Love Is Here(Starsailor)
Stephen Malkmus(Stephen Malkmus)
Just Enough Education to Perform(Stereophonics)
Rings Around the World(Supper Furry Animals)
Here's to Shutting up(Superchunk)
Frequently Asked Questions(The Tram)
The Invisible Band(Travis)
Auto All(Vivid)
Sample Things(Zero 7)
Point(Cornelius)
Umbra(Boom Boom Satellites)
B(黒沢健一)
Poptones Presents Radio 4(Various Artists)
2001年に聴いたベスト3アルバム
100枚近く購入した中から3枚を選ぶのは結構難しいので、軽く何枚かを追加で紹介します。
最初はDepeche Modeの4年ぶりの"Exciter"。ファンの間でも賛否が分かれる作品ですが、個人的には"Ultra"よりも生気と表現力を取り戻していたところが好きでした。そして、New Orderの"Get Ready"。ソロプロジェクトのElectronic経由の骨っぽいギターとMonaco経由のノスタルジックなメロディーのハーモニーが7年ぶりのアルバムとしては良い感じ。更なるサプライズは20年弱ぶりの来日。
キーボードとボーカルの割合を高めたことで分かりやすくなったMogwaiの"Rock Action"も良い感じ。以前からのファンには微妙な気はしますが、モノクロ映像的音楽が色彩豊かになり、美しさと力強さのバランスも絶妙。そして、ギターのノイズを脱ぎ捨てたSparklehorseの"It's A Wonderful Life"。様々な音を散りばめながらも散漫な印象にも過剰な演出にもならず、一味違う内省的なオルタナティブロックに仕上がっています。後述するLowに対抗できる美しさがあります。
最後はこれまで今ひとつのめり込み切れなかったSuper Furry Animals。この新作"Rings Around the World"ではノイズや効果音をこれまで同様ゴッタ煮的に詰め込みながらも、ポップさと分かりやすさは過去最高。自由奔放に動き回りながら前進して行く様子は頼もしいです。超名曲"Juxtapozed with U”収録。
そして、ベスト3アルバムは以下です。
Let It Come Down (Spiritualized)
傑作として名高い"Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space"から4年のインターバルでリリースされた4thアルバム。基本的な音のベクトルは前作と同じですが、ブラス、ストリングス、コーラス、ピアノ、ギターが丁寧に重ねられたサウンドはメロディを効果的に補い、鮮やかな印象に仕上がっています。
温かみのあるメロディで油断させ、ブラスセクションの壁でプレッシャーをかけ、ノイジーなギターで切り込んでくる方法論は「北風と太陽」で両方が同時に襲ってきたかのよう。キャッチーな"Do It All Over Again"、子守歌のようなノスタルジーを持つ"Out Of Sight"、サイケデリックな攻撃性を纏った"The Twelve Steps"、スケール感たっぷりの"Stop Your Crying"とバラエティも豊か。
分厚いアレンジでもシンプルなアレンジでも含まれるべき音は必要十分で、個々の曲もアルバムも説得力とスケール感が圧倒的。全体的に多少緩めですが常習性は恐ろしいほど高く、ヒューマンパワーを中心に据えた戦術は大正解。
Things We Lost in The Fire (Low)
どこを切り出しても同じようなギター、リズム、ピアノ、ボーカル、コーラスで作り上げられたシンプルな構成の曲なのに、音の密度を巧みにコントロールすることで、それぞれの曲のアイデンティティが明確化されていて、全く飽きません。
"Sunflower"の染みこんでくるようなメロディとコーラス、"Laser Beam"の美しい歌声といった表面的な部分以外に、音同士の隙間の存在感が強力。特に、徹底的に音を減らした"Whore"や"Kind of Girl"~"Like a Forest"の美しさには心が震えてきます。
音を使うことで表現するのではなく、音を取り除くことで微妙なグラデーションを表現している音楽は繊細で美しく、意志の強さがあります。曲を聴くことに集中していると、音の隙間から溢れ出してくる感情に気付くはず。大推薦盤。
Origin of Symmetry (Muse)
ウェットなRadioheadフォロワーという印象の強かったデビューアルバムから2年ぶりの2ndアルバムは、Summer Sonic 2000のパフォーマンスで見せた、何かに取り憑かれたようにギターをかき鳴らしていた狂気が詰まった内容。
前作の不評を払いのけようとするかのようなダイナミズム溢れるボーカル、ギュイギュイと鳴らされる主張の強いギター、タイトでクールなリズムセクションの各ピースが高いレベルで一体化し、前作からは予想不可能な突き抜けっぷり。
前時代的な大袈裟さと複雑な曲構成、息が詰まる程の緊張感の高さは好き嫌いがありそうですが、僕的にはアリ。特に、"Plug in Baby"のイントロは鳥肌モノで、もう一回この狂気をライブで体験したいと思わせる大出世作です。
おわりに
今回は2001年1月〜12月までに購入したアルバムとベスト3アルバムについて書きました。ちなみに、2001年のイギリスの年間アルバムチャートはこんな感じのようです。
No Angel(Dido)
Sing When You're Winning(Robbie Williams)
White Ladder(David Gray)
Just Enough Education to Perform(Stereophonics)
Dreams Can Come True, Greatest Hits Vol.1(Gabrielle)
Gold: Greatest Hits(Steps)
The Invisible Band(Travis)
Songbird(Eva Cassidy)
Survivor(Destiny's Child)
Fever(Kyllie Minogue)
Robbie Williamsは前年も2位、David Grayは3年前にリリースされた作品で前年も11位なので、何が年間チャートなのかよく分からないチャートになってます。
トップ10で勝ったのはStereophonicsとTravisの2枚。ただ、皮肉にも前作までは大好きだったこの2つのバンドに興味が薄らぎ始めたのがこの2枚のアルバムでした。決して悪いアルバムということもないのですが、前作が素晴らしすぎた影響なのかも知れません。
トップ50までを見ても、ポップス系やロック系が中心で、オルタナティブっぽいものはGorillazの22位、R.E.M.の47位、Daft Punkの48位が目立つくらい。"Kid A"に続いて、2年連続のリリースとなったRadioheadはトップ50にも入っていないという、よくよく考えると健全な(?)チャートになっています。
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