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「もやしっ子を御柱に!」ちょっとオカルトな中部の旅(その3)~旅館「松風」で味わう真冬の水風呂~
【前回までのあらすじ】
頭も顔も良いが、肝心な時に体調を崩しがちなもやしっ子を野性味あふれる聖地「諏訪大社」にて御柱(おんばしら)まで育て上げようと旅に出た。
諏訪大社「本宮(もとみや)」をお参りした後、万治の石仏の近くで誰もいないのに、誰かにぶつかる怪事件が起きてしまう。
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【太鼓の達人】
旅館「松風」に着いたものの、誰もいない。フロントにもいない。
まだ怪事件は続いているのか・・・
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人はいないが、太鼓があった。
「御用の方は太鼓を打ち鳴らしてください」と書いてある。
夜のことなので気は引けるが、「ドン!!」と叩いてみる。
誰も来ない・・・恥ずかしい・・・
でも他の連絡手段は無いので、太鼓を叩く
「ドン!」「ドン!」「ドン!」
戦の前みたいな雰囲気になってきた。法螺貝でも吹いたら合うだろう。
「ドン!」「ドン!」「ドン!」
完全に近所迷惑である。
「もう一回遊べるドン!!」とふざけていたら
「おまたせしました!」
宿の方が出てきた。恥ずかしい
【変な家?】
「松風」は不思議な構造になっており、鬼滅の刃の「無限城」とまではいかないものの、なんでそう繋がっているの?と困惑する面白い宿である。
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階段の上から見ると、反対側に部屋が見える。しかしあの空間にどうやって行けば良いのかわからない。
「無限城」じゃなくて「変な家」系なのか?
あまり深入りしないほうが良いかも。
部屋の窓をあけると厳しい寒気が押し寄せる。屋根の上に変な袋があるし。
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17時から翌日9時となっているから朝風呂に行けるだろう
【松風自慢の風呂へ】
朝、起きると気温はー6度だった。
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さーて、自慢の風呂とやらで朝風呂と洒落込もう。
「寒い」「寒い」と言いながら本館を出て、道路をわたって、風呂のある別館に行くが、相変わらず誰もいない。
人気がなさすぎてマヨヒガ(※)にでも来たかと不気味に思う。
※東北、関東地方に伝わる、訪れた者に富をもたらすとされる山中にある無人の家のこと。
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脱衣所は暖まっていたので、服を脱ぎ、シャワーでかけ湯をして湯船に入ろうとした。
「どわぁぁぁぁあぁぁぁあああ!!!」
思わず声が出た!!!全然お湯じゃなかった!!!
真冬の水風呂である。
キンキンに冷えてやがる!!!!!!
このままじゃ風邪をひいてしまう。シャワーで全力で温まる。
ぶるぶる震えながら、部屋に戻るとバーバパパのようなものがモゾモゾしていた。
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もっと寝たいと抵抗する、もやしっ子後輩の姿だった・・・