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「熊野リベンジ!紀伊半島一周の旅」その3 ここにもあったか鬼ヶ城


【前回までのあらすじ】


クレソン後輩の希望に沿って、熊野を3年ぶりに巡ることになった私。3年前は回れなかったところを目指して、熊野リベンジに向かうのであった。
クレソン後輩の赤いヤリスクロスに乗り込み、1月2日の夜に名古屋から三重県津市に移動して一泊し、そして1月3日には本格的に熊野を目指すのだった。
そして発覚したクレソン後輩の頻尿癖がどんどん深刻になるのであった。

【止めてくだ・・さい・・】

ヤリスクロスは順調に海沿いを走っていく。
三重県、和歌山県の海は青が濃く、所によっては碧に見えるところもあって本当に美しい。
ご機嫌でブイブイ走っていくと、また水差し野郎が言い出した。
「すいません・・どこかにトイレはありませんか・・」
「え!?さっき行ったばかりじゃんか」
「いえ・・1時間くらいは経っております・・・」
小ではなく大の方だというので、なげやりになって放出されると自爆テロ並みの惨状が予想される。
もはや「怒り」よりも「心配」が勝つ。

すると「鬼ヶ城」という看板が見えてきた。
検討する余地もなく、すっと駐車場に入る。
停車するなり「では!」と青い顔をした後輩がトイレへ急いだ。

【思ったよりもすごいぞ、鬼ヶ城】

私の出身地は桃太郎伝説のある岡山県なので、鬼には思い入れがある。
鬼神・温羅(うら)を退治した吉備津彦命(きびつひこのみこと)が祀られる吉備津神社は弓道部の競技場になっており、温羅の居城と伝わる鬼ノ城にも何度か行って伝承に思いを馳せていた。
なんと三重県の熊野にも鬼伝説があるらしい。

オーソドックスすぎる鬼

ここには熊野の海を荒らし回っていた金平鹿(こんへいか)、もしくは海賊・多娥丸(たがまる)の伝承があるらしい。坂上田村麻呂に退治されたというから相当昔の話のようだ。

トイレから戻ってきた後輩と合流して、おみやげ物店の裏の方へ降りていくと予想以上の奇景が広がっていた。

「こりゃあすげえ!!」「たまげたなぁ」
感嘆の声をあげずにはいられない。
巨岩、奇岩のオンパレード。それが遥か遠くまでずっと続いている。
荒波に浸食された岩石が地震で隆起したそうだが、理屈はわかるが自然の偉大さにたまげてしまう。

海に大きくせり出した岩は下から見ると軍艦の舳先のようにも見える。

海岸近くまで降りて、海釣りに興じている釣り人がポツポツ見えたが、よくもまぁこんな岩を降りれるね、と感心した。
奥へ、奥へと行けば1キロ以上あるらしいが、もともとはトイレに寄ったし時間も限られているので、ここまでとして、駐車場方面に戻る。

「ほら、トイレに寄ったのも運命なんすよ」とクレソン後輩がドヤ顔してくるのが憎たらしい。

【思ったより良心的なお土産物店 鬼ヶ城センター】

鬼ヶ城センターはお土産物がかなり充実している。価格も観光地にしてはかなり良心的だ。

お酒もあるし、お菓子もあるし、絵葉書だってある。

中でも熊野・尾鷲レトロ絵葉書はオススメ。
昭和レトロ漂う絵葉書は、「懐かしい」よりも「新しい」と感じる人が多いのではないだろうか。
旅情を誘う上に、かわいさもある素敵なデザインだ。

幾つかお土産を購入し、ホクホク顔で次の場所へスタートする。

【その4】へ続く


【後輩の頻尿メーター】

⚫️⚫️◯◯◯◯◯◯◯◯ 2/10
トイレに行ったのであと1時間半は大丈夫(のはず)

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