頑張っている自分が好き
高校1年生、古典の授業を受けている時だった。
「なんで人間は努力するかというと、頑張っている自分が好きだからです。」
と、その先生は言った。
そうだ。これだ。
最後のピースが嵌まる、まさにそんな感じだった。
まさかこの教壇に上がっている人からこんな衝撃を受けるなんて当時は思ってもいなかった。
髪の毛はだいぶ生命力を失っており、残っているもの達は強引に前髪へと流されている。
個性的な色のスーツを着ているが、絶妙にジャケットの大きさが合ってない。
授業に入る前の雑談が長くて授業時間内に収まりきらなく、しょっちゅう他の先生方に注意されてた。
でもそんな先生が私は好きだった。
先生の言葉はいつも脚色入れてるでしょ?と言わんばかりの綺麗さで整った言葉であった。
また、先生はとても純粋な人だった。
生徒の悩みを本気になって考えた結果、授業を丸々一コマ潰してまでその解決策を模索したり、高校生の時に付き合っていた人と別れたエピソードを永遠に語ったり、本当に記憶に残る先生であった。
私はその先生が放った一言を社会人になった今も心に留めている。
何かを一生懸命やって、汗かいて、失敗して凹んで、たまに上手くいったりして。
なんでそこまで出来るんだろう?
そう考えた時いつも先生の言葉を思い出す。
その度に私頑張ったな、また私自分のこと好きになっちまったわ。
そう思うようにしている。
今になって思うのが、それはつまり自分を認めてあげることなんだと思う。
自分の弱いところも強いところも認めてあげること。
簡単そうに見えて実は難しいこと。
だからこそ人は努力するんだと思う。
これからの人生できっといろんな壁にぶち当たっていくと思うけど何回でも私はこの言葉に救われるんだと思う。
先生、私これからも頑張りますよ、たとえ無駄な努力だと言われても自分をもっと好きになる為に。
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