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ただ、なんとなく、 ほんとになんとなくだ 思いつきで、あまり通らない路地を探検したのだ 夏休みに入って、とても暇で退屈だったのだ 初めて通る道を覚えながらてきとうに進んで行った 気づいたら、おかしな広場があった 広さはそこそこに広く、 周りは建物の外壁に囲まれていた ただ、真っ青な空が上に見えていて、とても綺麗に感じた そこに一つの人影があった おそらく男だと思う 高校生ぐらいに見える ぼけーっと眺めていたら向こうもこっちに気づいたらしく 歩み寄って話しかけてきた
…ヘックシュン! 最近花粉症でくしゃみが止まらない せっかくの休みなのにこんなに花粉が多いと 読書に集中できない 家で読めばいいじゃないかと思うだろうけど無理 自分の部屋もないし リビングではかあさんがドラマを見ている 音がうるさくて集中できない どこかに静かで花粉の無いとこあるかな… ん?あの道なんだろう その路地は何というか 誰も見えてないような そこにあるのにないような なんていうかな、とにかく不思議な雰囲気だった 路地は少し暗かった しばらく適当に進んで
ハァ~ 息が真っ白な季節になった。 だけど、最近は雪はたまにしか降っていない。 寒さのせいか、外はほとんど人気がない。 すっかり色の薄くなった街をとぼとぼ歩いていたら、 変な場所を見つけた。 (ん?なんだあれ。) その路地だけ、少し溶け残った雪があった。 最後に降ったのはもう何日も前なのに。 よく見ると、奥の方はもっと雪が降り積もっている。 ついつい、奥へ足を進めていった。 一番奥に着くと、そこは不思議な広場だった。 周りを高い白い壁に覆われた広場で、形はだいた