「キレる」生徒を前にして
生徒による教師への暴力についての記事を載せたところ貴重なご意見をたくさんいただきました。私にとってはとても参考になる有難いご意見です。学校では生徒への暴力も見られます。「キレる」生徒も少なからずいます。(教師も?)こちらも再掲記事ですがご意見をいただけたら有難いです。楽しくない内容が続いてすみません。
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かつて荒れた学校に勤務していたときのことです。「友だちが殴られている」と生徒が職員室に駆け込んできました。複数の教師が現場に駆けつけました。
廊下にたくさんの生徒が集まっており、真ん中で一人の男子がうずくまっています。そばにいる男子から殴る蹴るの暴行を受ていたのです。教師が到着したときも加害生徒はうずくまる男子を蹴り続けていました。目が血走っており、殺気立っています。男性教師が数名で押さえつけますが興奮して暴れます。しばらくしてやっと落ち着きましたがその際に生徒が口にした言葉に私は唖然としました。被害生徒に向かって彼はこう言ったのです。
「顔をやられないだけ有難いと思え!」
私には忘れられない光景です。学校という場でこんな言葉を耳にするとは思いませんでした。もちろん初めてです。その生徒は普段から「キレる」と何をするかわからない生徒です。一瞬で豹変します。教室で机や椅子を持ち上げて投げつけることもあります。被害を受けた生徒はおとなしくて気の弱い生徒です。力関係では勝負になりません。二人は同じクラスではなく接点はほとんどありません。トラブルがあったわけでもないです。別室で指導を受けたとき加害生徒が言ったという言葉にも私は驚きました。「むしゃくしゃするからやった。だれでもよかった」と言ったそうです。通り魔事件の加害者がよく口にすることばです。
学校でこのようなことが起きてはいけないことはわかっています。教師がしっかり指導していないからだと批判する人もいるでしょう。でも指導しきれないことがあるのも事実です。先の生徒は家庭でも「キレる」ことがあり、保護者もお手上げ状態だそうです。担任は保護者と相談し、専門機関にも相談しています。でもなかなか改善しません。私自身も彼が「キレた」ときには他の生徒を守ることで精一杯でした。教師の指導にも限界があります。どうすればよいのかわからず苦悩する日々でした。