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長崎の坂道を歩きながら

地震に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

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今日は長崎に原爆が投下された日です。5年前に長崎を訪れたときのことを思い出しながら原爆の犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。

長崎は坂の多い町。歩き始めはやはりこの坂です。

オランダ坂
坂の上に活水女子大学があります
活水女子大学
オランダ坂の上に建つ洋館。
現在は「旧居留地私学歴史資料館」として公開されています。


十人町の坂

唐人屋敷跡から活水女子大学に向かって続く狭い路地の階段です。江戸時代、ここには長崎港に入港する外国船を見張る「遠見番所」があり、番所に勤める役人の家が十軒あったところから「十人町」と呼ばれるよういなったそうです。
 

細い坂道が続きます

この坂の途中にピエル・ロチ(フランスの軍人で作家でもある)が1885(明治18)年に3ヶ月間日本人女性と居住した家がありました。家はもう残っておらず、案内板と碑だけがあります。ロチは帰国後『お菊さん』という作品を発表しています。

「ピエル・ロチ寓居の地」の案内
唐人屋敷もありました
唐人屋敷象徴門(大門)
現在の長崎新地中華街の門

立山町の階段

平坦な土地が少ない長崎では、町が拡大するにつれて背後の山の斜面がどんどん住宅地として開発されていきました。中心地の背後にあたる立山町や浜平町は特に高低差が大きく、坂道や階段が延々と続いて「天空の町」のようです。

大浦天主堂

天主堂も坂の上にあります

「山道を歩きながら考えた」という有名な文があります。私も坂道を歩きながら考えました。原爆が投下されたこの町で市民の人たちはずっとどんな気持ちで生活してこられたのでしょう。どんな思いで坂道を歩いてこられたのでしょう。おそらく私の想像を超える苦労があったと思います。でも一歩一歩地面を踏みしめながら歩いてこられたのでしょう。

坂道を歩くと私など最近はすぐに転びそうになります。急な階段も足を踏み外しそうになります。平坦なところを歩いていても足がもつれそうになります。世の中の風潮も同じです。残念ですが油断すると簡単に足をすくわれそうです。「平和」だって油断しているとすぐに失われます。地に足をしっかりつけて歩いて行かなければいけないと強く思います。

平和な長崎の夜は美しかったです。


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