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私が教員養成系の大学院を選ばなかった理由

教員を退職して大学院に進学することを決断した際に、私は教員養成系の大学院に進学することは考えませんでした。なぜって? 理由はいくつかあります。それをここで記したいと思います。

まず、30代のときの体験です。学び直しの必要性を感じた私は、地元の国立大学への「内地留学」を希望する旨を校長に伝えました。大学院教育学研究科の修士課程です。「内地留学」(私にはちょっと違和感のあることばです)というのは現職のまま国内の大学等に派遣されて研究を行うものです。教育委員会から派遣を要請される場合もありますし、教員が自ら希望して派遣される場合もあります。

私の希望を聞いた校長は次のように言いました。「受験はできるけどあなたはこの大学を卒業していないから合格は難しいですよ」と。確かに私はその大学の卒業生ではありません。教育学部の出身でもありません。教員になるための専門的な勉強したわけではないので、改めて教員養成の学びを得たいと思ったのです。ところが受ける前から校長に「合格は難しい」と言われたのです。私は思わず「えっ?」と声を上げました。

卒業生と非卒業生が受験した場合、受け入れる大学院側はできれば前者を合格させたいと思うでしょう。大学教員の側としても自分の研究室の出身者がいたらその人を受け入れたいと思う気持ちもわからないではありません。世の中にはそういうことが多いと思います。でも、それは不公平です。「内地留学」という制度はすべての教員に開かれた制度ですので、合否の判断は客観的かつ公平に行われなければいけないはずです。それは建前に過ぎないのでしょうか。公平に受験して不合格になったのだとしたら仕方がないですが、受験する前から合否が決まっているというのは何とも理不尽です。ちなみに校長は同大学の出身でした。

退職せずに大学院で学ぶ方法は他にもありました。その数年前に設置された「教育大学院」に派遣されて研修を受ける方法です。ちなみに教職大学院はまだなかった時代で、派遣先としては上越、兵庫、鳴門の三大学がリストアップされていました。でも私はこれらの大学に行くことは考えませんでした。地元に大学院があるのに、なぜわざわざ遠くの大学院に行く必要があるのでしょう。それらの大学に行くメリットを私は見いだせませんでした。

教員養成系の大学院を選ばなかった理由は他にもあります。そしてこちらの方が理由としては大きいです。それは・・・

後半はデリケートな内容を含んでいますので有料にしています。

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