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97 33種類のスパイス入りカレーの味は?

わが家の一室にタペストリーが飾ってあります。海外の珍しい品でもなければ、有名人の作品でもありません。教員時代に担任をしていた子どもたちがクラスの応援旗として作ったもので、卒業するときに私に贈ってくれたのです。

大皿のカレーがモチーフになっていて、33人の子どもたちが皿の周りで元気よく飛び跳ねています。見守っているのはエプロン姿の私です。一人一人がフェルトで自分の姿を形作り、大きな布に縫い付けていきました。予算が限られているので、布や糸など材料はほとんどが保護者からの寄付です。みんなの思いが込もった作品になりました。

すばらしいクラスでした。生徒は素直で温かく、仲が良かったです。何に対しても前向きで、一生懸命に取り組みました。担任としてこれほど幸せなことはありません。

そんなクラスにカレーが登場したのは年度初めの学年集会のときでした。各クラスの学級委員がクラスの抱負を発表したのですが、わがクラスの学級委員の男女二人は一風変わった紹介をしました。クラスをカレーに例え、33種類のスパイスで最高の味付けをしたいと言ったのです。何てすてきな紹介だろうと私は思いました。発想のユニークさに感心しました。

私はみんなに言いました。「カレーの味はスパイスで決まる。色も香りも味もそれぞれ違うけど、うまく合わさると絶妙な味が出せる。33種類のスパイスで最高の味を出そうね」と。多様なスパイスを効かせたカレーがどんな味になるか私は楽しみでした。

応援旗は行事のたびに活躍し、「スパイスカレー」は子どもたちの合言葉となりました。カレーの味はまろやかなときばかりではありません。ときに辛すぎることもあれば、ほろ苦いこともありました。でも、世界にたったひとつのオリジナルカレーです。最高の味でした。

壁のタペストリーを見るたびに味わい深いカレーが思い出されます。

みんなで作った応援旗


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