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28 「くれない族」にならないで 

「くれない族」ということばが流行った時代がありました。響きは悪くないのですが、意味するところはあまりよいものではありません。最近はあまり聞かなくなりましたが、何かにつけて「~してくれない」を連発する人のことです。正式な辞書にはない一種の流行語です。その頃に書いた学級通信です。

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少し前に「くれない族」ということばが流行りました。辞書には載っていません。一種の流行語です。どういう意味かというと、何かにつけて「~してくれない」と言う人のことです。みんなの中にもいませんか?遅刻をしたとき「お母さんが起こしてくれなかった」と言う人、クラスで何かやろうとしてまとまらないと「みんなが協力してくれない」と嘆く人、テストの結果が良くないと「先生がちゃんと教えてくれない」と不満を言う人。何でもかんでも他人のせいにする人はときどき見かけます。そんな人にはこう聞きたいです。「じゃあ、あなたはいったい何をしたの?」と。お母さんが起こしてくれないという人には「自分で起きる努力はしたの?」と聞きたいですし、「みんなが協力してくれない」と嘆く人には「悪いのは協力してくれない人たち?」と聞き返したいです。「先生がちゃんと教えてくれない」と言う人には「あなたはどんな努力をしたの?」と聞いてみたいです。

他の人に何かを要求したり、責任を押し付けるのはとても簡単です。何でもか他人にやってもらえたらこれほど楽なことはありませんよね。でもそれは自立した人間のやることではありません。一人では何もできない乳幼児なら話は別ですが、中学生にもなって人に何でもやってもらうようでは困ります。「くれない族」でいることは楽かもしれません。でも自分の力で生きているという実感もわかず、何をやっても達成感を味わえないと思います。心の満足は得られないでしょう。

人間はどこかで他人に頼って生きています。どこかで誰かが何とかしてくれるという甘えもあります。だからこそ意識的に「くれない族」にならないことが大切だと思います。最初から他人を頼りに生きるのではなく、自分のことは自分で責任を持ってやり、必要に応じて助けを求めるという姿勢が大事だと思います。たとえ失敗しても自分の力で精一杯取り組んだことならばあきらめもつきますし、再度チャレンジする気持ちも湧いてきます。自分で歩けるのに楽をして歩かない人よりも、歩くのに困難を抱えていても自分の足で歩こうとする人の方が私には輝いて見えます。みんなには「くれない族」の仲間になってほしくはありません。



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