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給食にふりかけ

かつて担任をしていたクラスで毎日ワサビふりかけを持って来る男子生徒がいました。ふりかけが大好きで大きなビンごと持ってきていました。ごはんにかけ、すました顔でおいしそうに食べていた姿を懐かしく思い出します。

学級通信に掲載したイラスト

彼のことを思い出したのは以下の報道に出会ったからです。
兵庫県川西市の全中学校で実施された3年生と市長との意見交流会。そこで出された「ふりかけの持参を認めてほしい」という要望を市が受け入れたところ一部の市議会議員から異論が出されたという報道です。(朝日新聞デジタル2024年2月7日)

市が保護者に配った説明文書には、個別包装の市販品で未開封の1袋に限る、のりやマヨネーズなどは不可、生徒間の譲渡禁止といった条件が示されたそうですが、ある市議は「給食は食中毒などの事故が起こらないように管理されている。家から違う食べ物を持ってくることに危機感と脅威を覚える」と述べ、さらに個別包装で安全面、衛生面を確保するという市に対して「残食をなくすために、ふりかけでいいのか。給食は子どもたちが食べたいように食べることを主にしているのではない」と疑問を投げかけたそうです。

「給食はアレルギーだったり栄養量だったりものすごく気を遣っているのに、自宅からご飯にかけるものを持ってきてもいいというのはいかがなものか」と反対した市議や、「学校給食は空腹を満たすものではなく教育の一環。ふりかけにもいろいろな種類がある。中身に責任を持てるのか。何かあったときどうするのか」と迫った市議もいたそうです。


給食にふりかけを持参することについては過去にも大阪市で論争がありました。給食には様々な意見があるでしょうが、ふりかけを持参することにそれほど問題があるとは私には思えますせん。「給食は子どもたちが食べたいように食べるものではない」という市議の意見にも疑問を抱きます。食中毒やアレルギー、栄養量を心配するのであれば、むしろ生徒がそれらをしっかり考え、自身で管理することの方がはるかに大事だと思います。さらに「ご飯が残ってもったいないので、ふりかけの持参を認めてほしい」という生徒の要望には食品ロスに対しても生徒がしっかり考えていることがうかがえます。

ふりかけに「危機感と脅威を覚える」と発言した市議。私は市議のそうした発言に危機感と脅威を覚えます。


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