フ〇オ、首相辞めるってよ（中学生の日記）

＊ボクは架空の中学生です

あの日友だちからラインが届いた。首相が次期総裁選に出馬しないって発表した日だ。「フ〇オ、首相辞めるってよ」って書いてあった。なんか小説のタイトルみたいだなって思った。友だちは生徒会長をやっているのでリーダーの資質には関心があるらしい。首相のことも二人でよく話すよ。友だちは首相のことを「フ〇オ」って呼ぶんだ。

それにしても発表は唐突だったね。それも終戦記念日の前日だ。なぜこのタイミングなんだろう。やめることはぼくも薄々予測していたけどちょっと驚いたな。

辞める理由は何だろう。支持率が下がり続けているから？　あれだけ支持率が低くなったら辞めたくなるよね。バイデンさんみたいに周囲から「やめろ」って言われているから？　引き際が悪いって言われたくないのかもしれない。　過去の首相の「尻ぬぐい」をするのが馬鹿々々しくなったから？　たしかにこれまで隠されてきた問題が一気に噴き出したって感じだからね。首相の仕事に飽きちゃったんじゃないよね。　

本人は自分が身を引くことで「けじめをつける」って言ってるけど、「けじめをつける」ってどういうこと？　「責任を取る」とも言っている。でも、やめたら責任取れないんじゃない？　国民が望んでいるのは真相を明らかにすることでしょ。何も明らかにしないまま辞めるのは責任を取ることにはならない。逃げるのと同じだ。解決していない問題が山ほどあるのに、途中で投げ出すのは無責任だ。やめると言ってもまだ任期はあるのだから、ぜひ真相を明らかにしてからやめてほしい。

今の首相はそれまでの首相より少しはマシだとボクは思う。人間的に温かみを感じることもある。国民の声を聞こうとする姿勢も一応見せていた。「聞く力」をアピールして、手帳なんか持って懇談していたこともあるよね。「ポーズ」のようにも見えたけど、前の人たちはポーズすらなかったからね。国民に全然向き合おうとしなかった。すごく冷たい感じがした。ところで首相のあの「手帳」にはどんなことが書いてあるんだろう。ボクも手帳を持ち歩いているからちょっと覗いてみたい気がする。

朝井リョウの『桐島、部活やめるってよ』では、桐島が部活をやめることをきっかけに同級生の中に様々な思いが生じ、波紋が広がっていく様子が描かれている。それと同じことが首相の周りでも起きているような気がする。候補者として名前が挙げられている人たちも思惑がいろいろありそうだ。政治の世界って駆け引きが多そうでいやだな。

お父さんが言うようにテレビでは総裁選のことばかりやってる。政治家だけでなくメディアも国民の関心を疑惑問題から別のところに持っていこうとしているように感じる。いずれにしても任期が終わるまでは首相には責任があるのだから、最後まで「真摯に」仕事をしてほしい。裏金問題も真相を明らかにして、国民が納得できるような説明をしてほしい。「丁寧に」説明する最後のチャンスだ！！！

　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　手帳を持ち歩く中学生