石に座ってひとやすみしていたのは...
アンコールワットを訪れたときのことです。帰りは夕方になりあたりは暗くなり始めていました。見学で歩き回った私は疲れてくたくでした。どこかに腰を下ろして休もうかと思ったとき、遠くに座って休んでいる人の姿が見えました。
石に座っているように見えました。何かを食べているようにも見えました。「あの人も疲れたのかな?」そう思って私はその人に近づいて行きました。
ある程度近づいたところで私は自分の視覚認識がいかにいい加減であるかを知りました。座っていたのは人ではありませんでした。猿だったのです。でも脚のポーズはまるで人間のようでした。