私の片付け作戦大失敗!
教員時代のできごとです。
のりクンは片付けが大の苦手な中学生。教室の机やロッカーには彼の持ち物がぎっしり詰まっていてこれ以上入らないという状態です。担任の私は気がつくたびに片付けを促すのですが、すぐにあふれてしまいます。床にも机やロッカーからあふれ出た物が毎日のように所狭しと散らばっています。「のり、片付けろよー」クラスメートからも言われるのですが、本人は全然気にする様子がありません。お手上げ状態のみんなが言いました。
「先生、なんとかして~!」
そこで私は大きな段ボール箱を用意しました。箱を「のりばこ」と名づけ、床に落ちているのりクンのものはひとまずそこに入れるようにみんなに頼みました。片付けの日を決めてのりクンに片付けさせようと思ったのです。教室を「汚部屋」にしないための苦肉の策です。
「のりばこ」には翌日から教科書や筆記用具、プリント、資料集、絵の具、部活用のユニフォーム、シューズなどのりクンのものが次々に投げ入れられるようになりました。「のりばこ」のおかげで床に散乱した物は少しは減ったように見えたのですが。。。
少しすると「のりばこ」はみんなの「ごみばこ」になっていました。のりクンのものなのか、ゴミなのか区別がつきません。そのうちにのりクン自身も箱に入って楽しんでいました。
私の「のりばこ」作戦は敢えなく終了となりました。そんなのりクンも現在は40代のお父さんです。