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何年経っても同じことが繰り返されている

一枚の写真に写っているのはあどけない幼児。母親の腕に抱かれ不安そうに何かをじっと見つめています。 見つめる先にあるのは・・・? 戦争です。新聞に掲載されていたアフガニスタン難民親子の写真に私の目はしばし釘付けになりました。 戦闘の場面が写っているわけではありません。爆撃で廃墟となった町が写っているのでもありません。本来ならば「平和」を感じさせてくれるはずの母と子の写真です。でもそこに漂っているのは「絶望」と「不安」です。米軍の爆撃が始まって3週間。難民となって故郷を後にする人の数は数百万人と言われています。いつの時代も戦争の犠牲になるのは前線にいる兵士だけではありません。弱者である子どもやお年寄りは真っ先にその被害を受けます。大人のこうした不条理な行為を戦火の中にいる子どもたちはどのように感じているのでしょうか。そして、そうした不条理な行為で苦しむ子どもは平和だと言われている私たちのまわりにもたくさんいるような気がします。        (2001年11月4日)

教員だった2001年に私が書いた文章です。当時は学年主任をしており学級担任をしていませんでしたので、「学級通信」ではなく「学年だより」に載せました、

アフガニスタン難民の問題は1979年にソ連が侵攻して以来続いています。2001年のアメリカでの同時多発テロのあとはアメリカを含む多国籍軍がアフガニスタンに侵攻し、新たな難民が増えました。その頃に新聞で目にした写真を見て思いを綴ったのが上の文章です。

それから20年以上たった今、同じような写真を毎日目にしています。状況は全然変わっていません。人間はいつまで同じ過ちを繰り返すのだろうと思いながら、自分には何ができるのかと問う日々が続きます。


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