セカンドペンギン

またバスに11時間乗らないといけない。
受付を済ませバスに乗り込もうとしたら、バスの入り口で「これもう入っていいのかな?」とわりとしっかりめの独り言を放っていた同年代くらいの人がいた。なんなんだと思いながらもバスに入り出発を待っていると、さっきの人がスマホのカメラを回しながらバスに入ってきた。あいつYouTuberだったのかよ。

一人で喋りながら街を歩く動画は今やたくさんあるけど、いまだに自撮り棒を構えてスマホに向かって喋りながら歩いている人を見ると「おっ」と思う。東京ではもうそんなことが当たり前になってるのかな。


自転車を漕いでいると、ガソリンスタンドに入る車に道を譲ろうとしている子どもがいた。たぶん車側としてはさっさと渡ってもらったほうが楽だろう。自分も昔は車がいたら絶対に譲っていたが、車に乗ったことがある今なら、動きが予想できない子どもは車の周りで止まるより離れてもらったほうが楽だとわかる。
ただそのことを今子どもに伝えても意味がわからないだろうから自分も一緒に待って車に先に行かせることで、子どもの行動を正しいものにした。

「ファーストペンギン」という言葉がある。リスクのある場所に最初に飛び込む人のことを言う。
この場合、車に道を譲ろうと止まった子どもがファーストペンギンと言える。ただ、このこどもをファーストペンギンたらしめたのは自分である。自分が子供を無視して進んでいればその子どもはファーストでもなんでもないただのペンギンになる。自分が止まることではじめてその子どもはファーストペンギンになれたのだ。

社会ではファーストペンギンが重要とされているが、それと同じくらいセカンドペンギンの存在も重要だ。最初に行動した人が、無鉄砲なバカになるのか、勇敢なる戦士になるのかは、次の人にかかっている。

海に飛び込んだファーストペンギンを、「きっと死んだ」と笑うか、「魚を見つけたかもしれない」と次に続くか、君はどっちだ🐧

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