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【詩的な語りepisode1~3💙詠】夏の終わりに…
🌹【episode1】
夏の終わり
南からの風が優しくなった
虹色に染まった海岸で
素足になって
潮の香りの中で
深く呼吸をしてみる
七年前…
この景色の中で
終の住み処(ついのすみか)を見つけた
何を捨てたかったのか
誰から逃(のが)れたかったのか
この海辺の街で
静かに
優しい気持ちで暮らしたかった
潮の香りに包まれて
いつか
自分の時が止まるまで
波音を聞きながら
ただ
柔らかに暮らしたかった
あなたに出逢う時までは…
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碧(あお)色の
海に佇み想い馳せ
袖濡れしとき 君を想えば
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🌹【episode 2】
あなたに出逢う時までは…
私はひとりで暮らしていた
空いっぱい虹色に染まりゆく
夕暮れと海岸
遠くに裾野まで広がる富士山
潮の香りが微かに感じる優しい風
柔らかな光で照らされる灯台の灯り
私の目に心に
キラキラと映してくれた
海街の暮らしが
私の小さな幸せだった
だから…
一人でも
心穏やかに静かに暮らせた
そんな終の住み処(ついのすみか)から
突然、離れる時が訪れた
私の歩みが突然、止まった
ただ ただ…
悲しかった
つらかった
呼吸がうまく出来ない
僅かな希望さえ持てない状況だった
生きて行く事さえ
つらくなった
日々のそんな状況の中で
あなたが私を見つけてくれた
私の心を救いだしてくれた
少しずつ 少しずつ…
呼吸が出来る様になった
私の黒い黒い言葉を
あなたが聞いてくれる
あなたが昇華してくれる
ありのままの私を
認めてくれる
ほめてくれる
あなたが
逢いに来てくれる度
私は少しずつ笑える様になった
少しずつ元気になった
そして
あなたを
いつしか待つようになった
歳の差が
あまりにもあるあなたを…
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戯れの
赴くままに 流されて
心揺らいで 想い迷いて
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🌹【episode 3】
歳の差が
あまりにもあるあなたを…
私は、遠ざけようと思った
知人に言わせれば
『訪ねて来ても、部屋に入れなければいいだけ』
『電話が来ても、出なければいいだけ』
それだけ…
それで、この出逢いは終わる
私も、そう想った
あまりにも年下の彼に
また、あの時と同じ様に
心の奥に、奥に…
仕舞いこんだ気持ち
もう 振り回されたくない
もう 泣かされたくない
苦しくて
悲しくて
切なくて
だけど
やっぱり好きで
終わらせる事が出来なくて
何もかも許してしまう
真夜中に
玄関のドアの前で
うずくまって待たれてしまうと
ドアを開けてしまう私がいた
声をあげて
泣き叫ぶくらい
悲しい事をされても
つらい事が起きても
それでも
彼を許してしまう私がいた
彼を受け入れてしまう私がいた
幾度も…
幾年も…
年下の彼を、私は許した
そんな自分から
離れたくて
終わらせたくて
彼から逃(のが)れるように
誰も知らない
誰にも知らせない
海辺の街へひとり越してきた
『きっと
海岸を歩いてたら
今度は優しい人と巡り逢えるよ』
と、根拠のない明るい声で
知人は言ったが
"素敵な巡り逢い"なんか
何もなかった
海辺のお散歩や海岸に
ひとりで来る人は
主に
海をひとりで見たい人
海を見ながら静かに時を過ごしたい人
だから
ルール?的に
話し掛けもしないし
近くにも寄らない
京都の鴨川然り
なんとなくお互いの視界に
邪魔にならない間隔で
ひとり、ひとり…
海岸の階段に腰掛けている
波音と好きな音楽と
本とスマホの時間が各々に流れている
時折、大きな波が来て
素敵な彼等が、波に乗り
サーフボードと共に波間に消える姿を心の中で讃えてみたり
紅く染まる雲
虹色に変わり行く空
灯台の灯り
欠けてしまうのでは?と
思うくらい儚い月
季節の香りを含む風
私の好きな
時の流れも
季節も
海も
この先
ずっと変わらず近くに有って欲しい…
そう、願っていた
ひとりで過ごす海辺での時間に
ざらざらした心が
少しずつ柔らかになりつつあった
ひとりでも もう大丈夫…
こんな
"優しい時間"が
突然、私の手から
こぼれ落ちない様に
私は
あまりにも歳の差がある彼に
彼が選べない選択を求めた
そして
同じ悲しみを繰り返さない様に
彼が本来
戻るべき場所に帰れる様に
彼との出逢いを終わらせた
選んだのは彼
決めたのは彼
夏の初めに
あまりにも歳の差がある彼から
"優しい愛"をもらった
私は
彼の愛より少し大きな愛で
終わらせた
"私を救える愛は
あなたじゃない"
夏の終わりに…
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光とて 君が心の奥までは
届かぬ想い 月の悲しさ
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