【詩的な語り💙詠】 叶わぬ愛…

消せない番号が一つだけ…

登録名も消した
LINEも消した

だけど…
名前を消したら着信記録に
見覚えのある番号だけ残った

全部…消した
消したかったけど
最後に掛かってきた着信記録だけ消せなかった

いつか
きっと、いつか…
あなたから再び掛かってきたら

すぐにわかるように
あなただって
気が付くように
最後の着信は消せなかった

最後の着信は
あなたが私に逢いに来てくれる数時間前の幸せな記録

あなたと逢える時間を約束した
あなたを笑顔で迎えるまでの記録

玄関のﾄﾞｱを開けて
いつものように
あなたを迎えた

そして

あなたは
私に触れる事もなく
間違った答えを選択したまま
玄関のﾄﾞｱを出て
一度だけ振り向いて閉めた

私は
なんとか微笑んで
最後のあなたを見送った

でも…

あなたの選択した答えは間違いだよ

私が用意した
未来に続くあなたと私の答えじゃないよ

あなたの
手を離してしまった
あなたを
また孤独にしてしまった

あなたの向けてくれる
私への気持ち

伝えてくれる心が
求めてくれる愛が
少しだけ怖かった

あなたの
真っ直ぐな愛を
いつか失う事の怖さ

震えるほどの孤独
また、一人…

あなたも
私も
また別々の
元の世界に戻るだけ

残ったのはたった一つ
真じられないほどの奇跡だけ

私が子供の頃から
ずっと心の中で
呼び掛けてきた
あなたの名前

あなたが言葉を覚え始めた頃から
ずっと呼び続けてきた
私の名前

そんな奇跡を
最後に残したまま
行かないで

そんな奇跡を聞かせたまま
最後にしないで

あなたが選択した最後の答えは
私が聞きたかった答えじゃない

だけど
これで何も迷わず
いつでも小さな手を
両手で包んであげる事が
あなたには出来る

孤独のなかでも
離すことがないよう
小さな手を
守ってあげる事が出来る

あなたの選択した答えは
間違っていたけれど

これで返したよ
小さな手に
愛しいあなたを…

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幼子に
叶わぬ愛の緣(えにし)触れ
別れし君と　憂(う)き世悲しき　　　
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