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高速戦隊ターボレンジャー、第9話「憧れは悪魔のフルート👿♪」
「フレー。フレー。由美…!」
腱鞘炎でフルートが吹けなくなった由美。
俊介はそんな彼女のフルートの音色に元気づけられている一人だった。
トリツキボーマは、そんな彼女の弱みにつけこみ、指が動くようになりたいという彼女の願いを叶えるの代わりに、子供達の活力を奪う契約を交わさせる。
トラウマやスランプ、そして怪我。
大事な大会やコンクール前は、気の焦りも加わり体が動きづらくなる事や、普段より硬くなった体で酷な練習をする事で最悪怪我をしてしまう事もある。
由美もその一人だった。コンクールでの金賞、ウィーンへの留学。未来の輝かしい自分を手に入れる為に彼女の気は焦っていた。
一方、俊介も体操部の選手としてムーンサルトという鉄棒の技を習得しようと焦っていた。
彼もまた思うように技が習得できずに焦っていた。
そんな彼は由美のフルートの音色に、見失いそうな自分を取り戻していた。
部活や勉強、仕事でもそうだが、気が焦っている時、気持ちのテンポは乱れている。
それは、自分の力だけでは元に戻せない。
私も仕事で行き詰まった時や、複数の業務を掛け持ちしている時は「癒し」を探してしまう。
一旦気持ちを落ち着かせられる時間。
俊介にも由美にもそれが必要だった。
今回紹介する神セリフは、そんな俊介が由美に送ったこちらにさせて頂いた。
神セリフ
「焦らずに最初からやり直すんだ。自分の力でね。」by.日野俊介
人はどのタイミングからでもやり直せる。
そして、体に覚えさせてきた努力の形は、時間が経っても絶対に忘れない。
反して人生の感覚は人それぞれであり、もしかしたら明日人生に終わりがくるかもしれない。
「今」を生きている由美と「これからの未来」を見ている俊介の中では時間軸が全く違っていた。
ただ、今を焦って生きる事は、「今を謳歌する事はできない。」と私は思う。
未来の事に努力した姿、未来の自分の為に今を全力で休む事や自分のケアに充てる事。
そして今のペースを落とす事。
時間軸の差は、テンポを合わせる事で埋められる。
焦って落ちるクオリティバランスを俊介は由美に伝えたかったのだと私は思った。
焦りは新しいミスを生む。
そのミスは、未来の自分を傷つけ、そしてまた新たなミスを生む。
焦った時こそ、自分や近くに居てくれる人に経ち戻り、速くなったテンポを少しだけ遅くする。
そんな「癒し」、「存在」が人生には必要だなぁ。と今話を観ていて切実に感じられた。
今、全力で色んな事に立ち向かい、そしてぶっ倒れそうになっている貴方に、「フレーフレー。」
30分に満たない今作品で、人生のテンポを少しだけ遅く調整して頂ければと切に思う。