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想い出の「まちの本屋さん」(静岡)

昨日、ネットを見ていたら、私にとって、衝撃的なニュースがローカルな話をするSNSから入ってきた。

私が静岡市郊外で育ったころ、近所にあって、小学生の頃からしばしば利用していた地元資本の書店のその地域の店舗が、8月をもって閉店するというのだ。

またひとつ、静岡の想い出が遠ざかる・・

そんな想いだ。

私が静岡市で育った90年代は、まだ全国展開の書店が一律にある雰囲気が静岡のような地方都市にはあまりなくて、地元資本の書店で本を買うのがスタンダードだった。

当時は、中高への通学路にも地元資本の大きな書店があって時々行っていたし、たまに静岡の街中へ行くと、地元資本の書店で最新のスポーツ雑誌や、当時多かった、「書店の中にあるCDコーナー」を物色していたものだ。

数年前から隣の神奈川県在住となり、昨年や今年も静岡市に足を運んだが、今や当時通った書店は、みんななくなっている。

今回閉店した店舗も、2年前の秋、実に20年ぶりくらいに、住んでいた地域をゆっくり歩いた時(いつも静岡へ行っても人と会う範囲しか歩かないため、そのくらいのご無沙汰になっていた)、まだその店舗が生き残っていたことには感動したが、かつてあった文房具のコーナーは消えていて、だいぶ売り場面積も狭くなり、その分、隣が31アイスクリームという、昔日を知るものとしたら微妙な心境になる作りになっていた。

そして今回、閉店。

当時、下校の帰りに寄った書店や、通学路に2件あった思い切り地元資本のCDショップも当然ながら跡形もなく・・想い出がどんどん遠くなる。

今や静岡に行くと、行く書店はほとんどかつて、「センター」と呼ばれていた新静岡セノバの「文教堂」、つまり全国資本の店。

CDなんてものは今やほぼ買わない、買うとしても今年になってからはボーカルの吉井さんが静岡育ちであるイエローモンキーのアルバムをアマゾンで注文して買っただけ(※あくまで、私の場合は、です)と言う感じになり、時代も変わり、私の生活様式も変わり、そして静岡に行くたび、想い出の場所は変わっていく・・

全体的にゆったりとした時間の流れ、落ち着く感覚は今も感じるが、やはり今は昔とは違う。

CDショップに友達と通った日々を思い出す。

想えば、一番通った地元資本のCDショップで、96-97年ごろに、バンバンいろんなCD買って、その中にはイエローモンキーのCDも何枚もあったが、その店の道路挟んだ向かい側のロッテリアで上京前、ボーカルの吉井さんが働いていたことを考えると、(当時の私はそう言うことは知らなかった)今、私がさらにバンドのファンになっていることも、運命を感じてくる。

まず無理なこじつけはこのくらいにして、とにかく、全国的に、「地元資本=まちの本屋さん」は減っている、これは本当に感じる。

私自身も、普段の生活で利用するのは、くまざわ書店やジュンク堂など、全国資本の書店が多い。

というか、「紙の本」を求めている分、電子書籍だのみの人が激増の今、まだ私は「ありがたいブックユーザー」なのかも。

大手資本がどんどん地元資本を「食い」、そして仕方ないことながら人々の生活様式がどんどん変化する中で‥街の景色も変わり、懐かしき風景もどこかに飲まれていく。

そんな中、やはり穏やかな空気や、大きく変わっていないところの風景を見ると、今でも懐かしさに涙が出る想いを覚えるのだ。



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